夜中に子どもが足を痛がり、時には泣き続けることもある「成長痛」とは、どんなことが原因で起きるのでしょうか。
今回は、症状・対処方法・日常生活での注意点などについて詳しく解説します。
お子さんがあまりに激しく泣くと、「何か大きな病気なのではないか…」と不安になりますが、この痛みは一過性のことがほとんどです。
また、成長痛自体は珍しいものではなく、成長期の多くの子どもが経験するといわれています。
ただ、中には似た症状でも異なる疾患が隠れていることがあります。似た症状が出る病気についても確認しておきましょう。
※この記事はメディカルドックにて『「成長痛」の症状・対処法はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
成長痛の診断方法と治療方法

成長痛はどの部分に痛みが出ますか?
太もも・膝・ふくらはぎ・足首などの下肢に痛みが出ます。特に、膝から足側の部分に痛みが出ることが多く報告されています。ただし痛みが出る部分は人それぞれです。人によっても、その時々によっても、痛みの部位が異なります。
成長痛はどのように診断しますか?
まず初めに行うのは、痛みの部位・訴えの様子・時間帯などの問診です。それに加えて、レントゲン検査と痛みが出た部分の確認をします。具体的には、関節の動きに異常が無いか・押した時に痛みは無いか・腫れや皮膚の赤みは無いか、などです。
レントゲン検査や患部の確認で異常が見当たらず、成長痛で現れる特徴的な症状が確認できた場合に「成長痛」と診断します。
治療方法が知りたいです。
成長痛と診断された場合、特別な治療はありません。患部に湿布を貼ったり、痛み止めの軟膏を塗ったりして様子をみましょう。医師からの指示に従って対応してください。患部をさすってあげると次第に痛みが落ち着きます。
編集部まとめ

不定期に繰り返す足の痛みは子どもにとっても親にとっても辛いものですが、成長痛は多くの子どもが経験する症状のひとつです。
まずは、落ち着いて痛みの様子を確認しつつ、患部をさすってあげるようにしましょう。
集団生活の中でたくさん走り回って、たくさんお友達と関わる子どもにとっては、身体的・精神的な疲労が痛みとして出やすいこともあります。
身体のケアだけでなく、心のケアを心がけることも大切です。また、成長痛と似た症状でも、他の疾患が隠れていることもあります。
日中にも変わった様子が無いか、注意してみてあげるようにしましょう。不安なことがあれば、主治医に相談してみてください。
参考文献
オスグッド病(日本整形外科学会)
若年性特発性関節炎(難病情報センター)

