厳しく鍛えられ悔しくて涙を流す日々
田村:私はとにかくディレクターさんと二人三脚でやってきて、厳しく鍛えられました。ロケ終わりに悔しくて家で泣いたこともありましたよ。入社1年目から『花よりガッツ』をやってきて、ロケで街の皆さんのよさを引き出さなければいけないのに、まだテレビのことすらよくわかってないので、質問のレパートリーも少ないわけですよ。するとディレクターさんから「お前はマスコットでいい。相手のよさを引き出すことは無理だろうから、俺が質問する。お前はリアクションだけしておけよ」と言われたんです。これは屈辱でしたね……。
――ディレクターさん、厳しいですね。
田村:でも、私には反骨精神があるので(笑)。言われたことが悔しかったので、ロケが上手な芸人さんの番組を見て、「こういう引き出しがあるんだ」と勉強しました。あと、食レポで使えそうな言葉を単語帳に書き出して、実際の食レポで使ってみたり、プライベートでも食レポの練習をしたりしましたね。
いまだに反省は尽きないのですが……ディレクターさんからは怒られなくなって、阿吽の呼吸でロケができるようになってきました。最初はロケがうまくできなくて怒られてきましたけど、「負けてたまるか!」という気持ちで立ち向かってきたからこそ、今の私があるのかなと思います。だから鍛えてくれて感謝しています。
目の当たりにした「天才・安住紳一郎さんの凄さ」
――田村さんは『THE TIME,』の広島地区の列島中継レポートを担当されていますが、列島中継で印象に残っているエピソードはありますか?田村:初期に呉市の実家近くのお店から中継をしたとき、サプライズで父親が登場して仰天したのを覚えています。スタッフさんたちも面白い中継にしようと、あの手この手で工夫を凝らすんですよね(笑)。でも、やっぱり一番印象に残っているのは安住紳一郎さんが広島に来たときですね。
――月1回の出張中継の「出張!安住がいく」ですね!
田村:CBCの若狭敬一さんやMBSの福島暢啓さんがフィーチャーされていますけど、広島もよくしてもらっていて、「出張!安住がいく」も早い段階で安住さんに来ていただきました。安住さんは本当に凄い……天才なんですよ。
――どういった部分が天才なのでしょうか?
田村:中継に台本はあるんですけど、安住さんは台本通りにもやりません。私も台本を頭に入れて現場に行って、安住さんに身を委ねて中継をやったんですけど、全然違うことをやっているんです。でも、安住さんが考えた構成や流れのほうが台本よりも100倍、面白くなっている。安住さんの発想力、機転の利かせ方、アドリブ力に圧倒されて……。
――同業だからこそわかる凄さもありそうですね。
田村:実は今年の夏、「THE TIME,」のスタジオにもフル出演させていただきました。レギュラーの川田裕美さんがお休みで、まさかの代打でご指名いただいたんです。当日は早朝3時集合で打ち合わせに参加したのですが、やはり安住さんはすごかった……。用意された台本を細かいところまでチェックして、ニュースの項目を入れ替えたり、表現を変えたり、「けさの一曲」というコーナーで流す曲まで変更していました。
「与えられたものだけやっていてもよくはならない」と、常に考え続ける方なんです。放送終了後には、安住さんが秘密のノートを見せてくださったのですが、そこには他局も含めた番組研究がびっしり。88冊目らしいです。内容は絶対教えられませんが(笑)。安住さんには永遠に追いつけません。
――若狭さんや福島さんだけでなく、田村さんも『THE TIME,』で十分に爪痕を残している印象があります。田村:これはチームの皆さんに恵まれているんです。安住さんはご自身の力が凄いですけど、私はチームで挑んでいます。RCCチームはスタッフ全員が爪痕を残すために苦心してくれていて、私もその気持ちに応えようと全力で挑んでいます。RCCの中継はものすごく空気感がいいんですよ。ほぼ徹夜で体力的にはきつくても、現場が楽しいので、車の中でも寝ずにずっと喋っています(笑)。
――たしかにRCCの中継は工夫がこらされていますね。
田村:ありがとうございます。私、ディレクター、カメラマンも含めてチームのみんなが「爪痕を残す中継にしよう」という気概や意識がありますからね。私にはまだ自力がないと思っているので、『花よりガッツ』でも『THE TIME,』でもチーム力でいい作品を残したいんです。

