●まだ公表されていない降板事案もある
事務所に事前相談しなければ、軋轢が生じることもあるだろう。それでも局主導で処分を決定し、詳細は関係者保護のため、あえて発表しない。
こうしたスタイルが、すでに一般化しつつある。明らかにフジテレビに対するスポンサーの動きを目の当たりにした各局が「同じ轍を踏まない」ために、対応方針を根本から見直した結果だといえる。
実際、こうした事例は、生島氏や国分氏のケースに限らない。理由ははっきりと公表されていないものの、コンプラ調査の後に降板が決まった出演者の話は、業界内では少なくない。
終了が決まった番組の中には「出演者のコンプラではないか」と噂されているものもある。
●不可解なベテランスタッフの電撃解任も
さらに各局では、「ベテラン制作スタッフの突然の解任」といった事例も散発的に起き始めている。
具体的な番組名は避けるが、構造的には生島氏や国分氏のケースに近いものが多い。コンプラ違反を理由に外部スタッフが番組から外されたり、問題のあるスタッフが中核を担ってきた番組が終了したりする例が見られる。
このように、各局への「コンプライアンスへのギア」は確実に一段上がっている。あちこちから「セクハラやパワハラに関する局の調査が突然始まった」といった話も、珍しくなくなった。
ただし、現時点では局ごとに温度差があるのも事実だ。日本テレビとフジテレビは最も生まれ変わった印象がある一方、依然として従来と大きく変わらない局も存在する。
それでも2026年、さらに各局のコンプライアンスへの対応は、さらに次の段階に進むだろう。すでに「問題が起きてから」ではなく「未然に防ぐ」ための動きが始まりつつある。
(テレビプロデューサー・鎮目博道)

