「子どもを怖がらせる鬼」ではなかった──ナマハゲの本当の役割、子育てや地域を支える「来訪神」の今

「子どもを怖がらせる鬼」ではなかった──ナマハゲの本当の役割、子育てや地域を支える「来訪神」の今

●課題は担い手不足、伝統をどう守るか

太田さんによると、現在、ナマハゲ行事は、男鹿半島内の約140地区のうち、およそ70地区でおこなわれているそうです。

多くの地区では、「先立ち」「ナマハゲ2人」「カマスかつぎ」の4人1組で、交代しながら数班に分かれて家々を巡るといいます。全体では、数百人規模のナマハゲが参加しているという、地域にとってなくてはならない行事です。

しかし、課題もあります。

「最大の課題は担い手不足です。人口減少で若者が減り、年配者や地区役員がナマハゲ役を務めている地域もあります。

また、『子どもが怖がる』『料理作りが大変』『家が汚れる』といった理由から、受け入れを断る家庭が増えていることも、保存伝承の難しさにつながっています」

ナマハゲを守り、伝えていくことの背景には、何があるのでしょうか。太田さんはこう語ります。

「ナマハゲ行事は、地域の人たちが身近にあるもので面や持ち物を手作りし、若者たちが家々を巡る行事です。行事を通じて、地域の団結や人と人とのつながりが生まれます。

ナマハゲ行事のあり方や意義について話し合い、保存伝承に努め、後世に残さなければいけません。そのためには、ナマハゲも大事ですが、ナマハゲを迎える人々の心構えも必要です。

『なぜ大晦日の夜に訪れるのか』『なぜ数百年も続いてきたのか』。その意味を知ることが、ナマハゲの本当の役割につながると思います」

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