3.手負いの獲物を演じ切る
前述した2つの遊ばせテクニックをものにできたら、次のステップ、「手負いの獲物を熱演する」を目指したいところです。
何度か攻撃を食らい、今にも力尽きそうなネズミを追いかけるとき、おそらく、猫の脳内では、アドレナリンが全開になっていることでしょう。
はるか昔、野生下での暮らしでは、ネズミは猫にとって大切な栄養源です。目の前のチャンスを逃せば、しばらくは食べられないかもしれません。絶好機をつかもうと、猫は必死になります。その野生本能は、みなさんの愛猫にも同じようにあるはずです。
ネズミ目線で「もうアカン…やられてまう…」という状況を、飼い主さんのおもちゃ遊びで表現できれば、愛猫はこれまで以上に目を輝かせながら、飛びついてくれるかもしれません。
飼い主さん自身も、フラフラになりながら、物陰へと逃れていく手負いのネズミ役に入り込むと、猫じゃらしの動きもより生々しくなります。
ただし、感情移入するあまり、愛猫の鋭い犬歯が我が首筋に突き刺さる場面をイメージし、「助けてー!」と思わず叫んでしまう恐れもあるので、想像(妄想)はほどほどにしておきましょう。
まとめ
今回は、愛猫が興奮するおもちゃ遊びのテクニックとして、「緩急をつける」、「チラ見せする」、「手負いの獲物を演じる」、の3つを紹介しました。
この3つを見てもわかるように、ネズミやウサギ、昆虫などの動きをリアルに再現すると、その分、猫じゃらしなどのおもちゃグッズも生き生きとしてきて、「獲物感」がよりいっそう増します。結果的に、愛猫も夢中になって追いかけてくれるはずです。
おもちゃ遊びは、愛猫はもちろん、飼い主さんにとっても大事なひとときです。上手に猫じゃらしを操って、愛猫のハンター欲を存分に引き出してみてください。
そうすれば、一心不乱に猫じゃらしを襲う愛猫の姿に、飼い主さんの眠れる野性まで呼び覚まされるかもしれません。

