筆者の話です。
夜、島に帰るためにタクシーへ乗り込んだ私は、運転手さんに海上タクシーの手配をお願いしました。そこで返ってきた一言から、思いがけない『つながり』が広がっていき──。
島への帰路
飲み会があった夜、公共交通機関も終わった時間帯に島へ戻るため、私はタクシーを拾いました。
「海上タクシーを呼んでもらえますか」とお願いすると「お嬢ちゃん、島に帰るん?」と穏やかな声が返ってきました。
島に帰るには、港で【海上タクシー】に乗り継ぐ必要があります。
その予約はタクシー会社に連絡してもらうという、地元ではおなじみの流れです。
「Aの港? Bの港?」と聞き返され、島の地理に詳しい運転手さんなのだとわかりました。
港にはAとBがあり、その違いを知るのは地元の人くらい。そんな土地ならではの会話が始まったのです。
広がる話題
「Aのほうです」と答えると「ああ、僕もそっちの出身なんよ」と運転手さんが笑いました。
その瞬間に空気がふわっとゆるみ、地名がひとつ出るたびに話が自然と広がっていきます。
いつもなら静かで長く感じる夜道なのに、この日は言葉が途切れません。
「お父さんの名前なんて言うの?」と聞かれ、伝えると、なんと父の同級生だったことが判明。
思わぬつながりに、胸の奥がじんわり温かくなりました。

