師走恒例の「年末ジャンボ宝くじ」。わずかな可能性に期待して宝くじを購入する人は少なくありませんが、実際に当選したあとで思わぬ悩みを抱えるケースもあるようです。
弁護士ドットコムに相談を寄せた男性は、婚姻関係にあるパートナーと離婚する前、内緒で宝くじを購入し、それが当選したといいます。
相談者の妻は、男性が宝くじに当選したことを知らないまま離婚。その後、男性は当選金を受け取ったそうです。
離婚の理由は、妻による不貞行為だったといいますが、当選のタイミングが「婚姻期間中」であったことから、男性は元妻から当選金の分配を請求されるのではないかと不安を抱いています。
●「結婚前に当選した」という相談も
また、別の相談者は、パートナーと結婚する直前に宝くじが当選し、婚姻届を提出した翌日に当選金が自身の口座に振り込まれたといいます。
そのため、「この場合の当選金は夫婦の共有財産になるのでしょうか?」と疑問を持っているようです。
一般的に、結婚期間中に築いた財産は、夫婦で半分ずつに分けるのが原則とされています。しかし、「宝くじの当選金」は、夫婦が協力して築いた財産といえるのでしょうか。
また、結婚前に当選した宝くじの扱いはどうなるのでしょうか。光安理絵弁護士に聞きました。
●偶然による莫大な利益「財産分与の対象」に
──離婚前に購入した宝くじが当選し、離婚後に当選金を受け取った場合、元配偶者に財産分与をする必要はありますか。
離婚前に購入した宝くじということですから、購入代金が通常の家計(小遣い)から支出されたのか、それとも婚姻前から有していた特有財産から支出されたのかによって、考え方を区別することができそうです。
通常の財産分与の考え方に照らせば、小遣いから購入なら分与対象となり、特有財産から購入した場合は、当選金も全額特有財産とされるはずです。
ただし、財産分与で問題となるのは、当選金が数万円から数十万円程度で生活費として使われてしまったようなケースではありません。購入代金に比して当選金が莫大で、離婚時にも現金や別の財産として残っている場合です。
そのようなケースでは、当選金を「ほぼ無償で得た偶然の利益」と捉え、たとえ特有財産から購入していたとしても、当然に特有財産とするのではなく、公平の観点から夫婦の家計とすべき(離婚の場合は財産分与の対象となる)という見解が有力です。
したがって、今回のように、離婚前に当選が確定し、当選金を受け取ることが確実だった場合には、実際の入金が離婚後であっても、当選金は財産分与の対象になると考えられます。
ただ、配偶者が継続的に宝くじを購入していた結果、多額の当選金を得たような場合には、必ずしも折半とはならず、購入者6割、相手配偶者4割といったように、分与割合に差がつく可能性もあります。

