■完全母乳でも夜中は一緒に起きてできることを担当
――育休中、家事・育児の面ではどんなことに苦労されましたか?
西崎さん 育児はすべてが初めてだったので、最初は苦労しました。おむつ替えもそうですし、うちは完全母乳なので、赤ちゃんが泣いたら妻が授乳して、そのあと僕がゲップをさせて……と、ひとつひとつはなんてことのない作業なのかもしれませんが、どれも頻回ですし、積み重ねなんですよね。具体的に「これが大変」というよりは、1日中ずっと「何かしらやっているのが大変」だったと思います。体がつらい中で昼夜問わずにこなしている妻のことを心からすごいなと思っていました。
――夫婦でどのように分担されていましたか?
西崎さん 育児で言えば、授乳以外はできるだけやるようにしていました。また、家事は料理以外のことを、基本私が担当するようにしました。ただ、料理は妻の方が得意なので、大丈夫かな?と思いつつもお願いしていたんです。しかし保健師さんが訪問してくださったときに「こんなに動いちゃダメ!」と注意されてしまいまして……。それからはミールキットを使ったり、レンチンで食べられるものを取り入れたりするようになりました。
――新生児だと夜も頻回に起きて、授乳する必要がありますね。深夜帯も夫婦ともに赤ちゃんに合わせて起きていたのですか?
西崎さん はい、一緒に起きていました。先ほどお伝えしたように、うちは母乳のみなので、ミルクを作る作業はありません。その分、それ以外のところはできるだけ僕が請け負うようにしていました。
例えば、赤ちゃんが泣いて起きたら、まず僕が起きておむつを替える。 そのあと妻が授乳して、終わったらまた僕がゲップと寝かしつけをする。この一連の流れを、夜中は繰り返していましたね。
――大変でしたね。寝不足にならなかったですか?
西崎さん もちろんなります。でも、「妻が頑張っている」と思うと、自分が弱音を言うことはできないな……と、そんな気持ちでした。どうしても眠くて昼間に仮眠をとることはありましたが、なるべく協力しながら乗り切るようにしていました。

「最近の息子。うつ伏せの練習を頑張っています!」(西崎さん)
■支えてもらったという感謝の気持ちが今の仕事の原動力
――復職のときのことをお聞かせください。
西崎さん 復職してまず感じたのは、「恩返しがしたい」という思いでした。
初めて育休を検討し出した頃は、育休を取得したいと思っている半面、担当していた業務から一時的に離れることへの葛藤も正直言ってありました。しかし、上司から「立場としては早く戻ってきてほしいけれど、人生の長い目で見れば、今は育休を取ったほうがいい。こちらのことは任せて」と声をかけてもらったんです。
その言葉で背中を押され、迷いが消えました。グループには小さな子どもを育てているメンバーも多かったですし、また、そうではない方も含め、皆さんが温かく送り出してくれたおかげで、安心して育休に入ることができました。こうした周りの皆さんの支えに対する感謝が、復職後の仕事の原動力となっています。
――育休で得た経験が、仕事に生かされていると感じることはありますか?
西崎さん あります。育児を通して「相手の立場で考える力」がより磨かれたと感じています。赤ちゃんって泣くことしかできないじゃないですか。3カ月ずっと子どもに向き合っていると、泣き方で「おむつが濡れているのかな」「お腹が張ってるのかな」みたいに、何が理由なのかだいぶ見分けられるようになってきて。
子どもの様子をよく観察し、「多分こうだな」と考える習慣がついたことで、仕事でも“相手は今どう感じているのか”を以前より自然に想像できるようになったと思います。
――復職後、仕事と育児の両立はどのようにされていますか?
西崎さん 復職してからは、仕事の進め方を一から見直しました。今もなるべく19時前には家に帰れるようにしていて、そのために何ができるのかを常に考えながら動いています。子どもが生まれる前も、もちろん「時間」への意識はありましたが、振り返れば、もっとうまく回せる部分があったと思いますし、今はより具体的に考えて、実行できるようになったかと思います。
ただ、育休中に比べるとどうしても妻や子どもと関わる時間が減るので、帰宅後の夕食のときは妻の話をよく聞くようにしたり、週末に育児を頑張ったりしています。また、子どもが寝たあとは自分たちの時間にあてているので、妻と一緒に動画のサブスクで映画を見ることもあります。

「3カ月の育休を終えたときに妻が『一緒にいてくれて本当に助かった』『あなたがいなかったら乗り切れなかった』 と言ってくれて。その言葉で、“取って良かった”と心から思えました」(西崎さん)
