
マッチングアプリで出会った年下男子のこうきと、食事に出かけたアラサー女子のアイコ。見た目もよく、大手IT企業に勤める彼への期待は高まるが、そこで待っていたのは「1円単位のワリカン」という衝撃の現実だった。
「女はおごられて当然」という古い価値観を引きずるアイコと、徹底した合理主義を貫くこうき。二人の出会いを描いたラブコメ漫画「『女はおごられて当然』と思ってる昭和引きずり女が、婚活した話」は、まさに現代の婚活事情を浮き彫りにしている。作者のコニシ ナツコさんは、自身もかつて婚活を経験し、そこで感じたリアリティを作品に注ぎ込んだ。
■婚活市場のリアルと、アプリの「罠」



コニシさんは、アイコのように自分の軸が不安定なタイプに対し、マッチングアプリよりもプロのカウンセラーに相談する方がよい、と提言する。アプリには必ずしも真剣に結婚相手を探している人ばかりが集まるわけではないからだ。
婚活市場では年齢が判断基準になりがちだが、それ以上に難しく、かつ最も大切なのは「初対面でも相手を思いやって話し、普通にコミュニケーションが取れること」であるとコニシさんは語る。こうした当たり前の配慮こそが、婚活において最も希少な価値を持つ。
■「年齢」という逃れられない壁と、出産のリアル
作中でアイコが吐露する「性格や相性より、年齢で考えるようになったのはいつからだろう」という言葉は、多くの婚活女子の胸に突き刺さる。コニシさん自身も、婚活のときにはある程度の年齢幅を定めて活動していた。
男性が女性の年齢を顕著に気にする現状に対し、理不尽さを感じつつも、コニシさんは「出産の問題が一番大きい以上、ある程度は仕方ないのかもしれない」と、現実的な視点を示す。理不尽への怒りを抱えながらも、その背景にある社会的な構造を受け入れざるを得ない切実な本音だ。
■価値観をアップデートする勇気
最初は「こんな男、絶対に嫌だ」と拒絶していたアイコだが、自身の固定観念を揺さぶるこうきの言動に触れ、少しずつ惹かれ始めていく。
他人の価値観ではなく、自分にとって本当によい選択とは何なのか。婚活という極限の場で年齢や数字に縛られたとき、一度立ち止まって「対等な関係とは何か」を問い直すこと。本作は、読者にそんなアップデートのきっかけを与えてくれるはずだ。
取材協力:コニシ ナツコ(@natsukoni81)
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