
SNSやブログでフォロワーから寄せられた実体験を漫画化し、多くの共感を集めているぺ子さん(@peko_comic)。中でも『原因は、俺…?』は、男性不妊という切実なテーマを扱い、大きな反響を呼んでいる作品だ。今回は、長引く不妊治療に疲弊しながらも、互いを想い合う夫婦のエピソードを紹介するとともに、治療期間中の夫婦関係の変化や世間の認識について、作者のぺ子さんに話を聞いた。
■「子どもが欲しいんじゃない。あなたとの子が欲しい」



長年にわたる不妊治療は、夫婦の精神だけでなく、経済面もじわじわと蝕んでいく。作中の夫婦も、次の治療で貯金が底をついてしまうというギリギリの状況に置かれていた。追い詰められた空気の中、妻は涙ながらに夫へ訴える。「子どもが欲しいんじゃない。えーいちとの子どもが欲しいの」。そのうえで、彼女は一つの提案を持ちかけた。「次を最後と決めて、2人でやりきってみない?」そして、そのラストチャンスに挑む前に「半年間、治療のことを忘れちゃおっか!」と明るく言い放ったのだ。妻が見せたのは、以前から行きたがっていた旅行先の画像。「子どもがいたらできないことをやり尽くそう」という妻の笑顔に、夫も「あり寄りのありだな…!」と前向きに応じる。こうして2人は、半年間だけ妊活のプレッシャーから解放され、恋人同士のように遊び歩く日々を過ごすことになった。
■妊活でギスギスしないために必要なこと
治療を一時中断し、夫婦で遊ぶ時間を作ったことについて、作者のぺ子さんはその重要性を指摘する。「不妊治療中は、どうしても妊活のことしか考えられなくなり、視野が狭くなってしまいます。その結果、夫婦仲もギスギスしやすくなってしまうんです」一度治療から離れ、2人の時間を楽しむことは、心身のバランスを取り戻すために必要な工程だったのだろう。
また、作中の同僚・木嶋さんのように、不妊の原因を女性側に求めがちな風潮についても、ぺ子さんは「やはり多いのではないでしょうか」と分析する。「妊娠や出産は女性にしかできないことなので、必然的に『不妊=女性の問題』というイメージが結びつきやすいのだと思います」男性不妊の現実は、当事者以外にはまだ十分に理解されていないのが実情かもしれない。
ぺ子さんのSNSやブログでは、他にも様々な実体験に基づいた作品が公開されている。誰にでも起こりうる人生のドラマに、ぜひ触れてみてほしい。
取材協力:ぺ子(@peko_comic)
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