「親族に愛犬を殺されました」帰省中にペットを預けたら事故発生…治療費や慰謝料は請求できるのか

「親族に愛犬を殺されました」帰省中にペットを預けたら事故発生…治療費や慰謝料は請求できるのか

●ポイントは「注意義務違反」があるかどうか

──治療費や慰謝料は請求できますか。

友人や親戚に預けたペットがケガや死亡した場合、治療費や慰謝料を請求できるかどうかは、注意義務違反があったかがポイントになります。

預かった側が、自己の物と同一の注意義務さえ果たしていれば、つまり自分の飼っているペットと同じように扱っていたのであれば、注意義務違反は認められず、原則として責任は生じません。

今回の相談事例でも、友人や親戚が、自分のペットと同等の扱いをしていたのであれば、責任を問うことは難しいでしょう。

一方で、自己の物と同一の注意義務を下回る、乱暴な扱いをした結果、ケガや死亡に至った場合には、注意義務違反が認められ、賠償責任が生じる可能性があります。この場合、ペットの治療費や、飼い主の慰謝料などを請求することができます。

なお、友人や親戚がペットに対して故意にケガを負わせた場合には、不法行為責任が成立します。治療費や慰謝料を請求できるだけでなく、動物虐待罪が成立する可能性もあります(動物愛護管理法44条)。

ペットホテルに預けた場合と比べて、友人や親戚に無償で預ける場合には、重い責任を追及することが難しいケースが多いと言えます。

つまり、無償で身近な人に預かってもらう場合には、このようなトラブルが生じた場合でも、それなりの覚悟をする必要があると言えるわけです。

●ただ預けるだけではなく、ペットの扱いについて詳しく説明すべき

──友人などにペットを預けたり、帰省や旅行に連れていく際、どんな点に注意すべきでしょうか。

ペットがケガをしないよう、預ける際にはペットの性格や癖、抱き方などの扱い方を具体的に説明し、十分に理解してもらうことが大切です。

また、費用はかかりますが、専門家としてペットを預かるペットホテルを利用することも選択肢の一つです。ただし、悪質な業者も存在するため、事前の情報収集は欠かせません。

【取材協力弁護士】
渋谷 寛(しぶや・ひろし)弁護士
1997年に渋谷総合法律事務所開設。ペットに関する訴訟事件について多く取り扱う。ペット・動物法学会理事も務める。
事務所名:渋谷総合法律事務所
事務所URL:http://www.s-lawoffice.jp/contents_01.html

提供元

プロフィール画像

弁護士ドットコム

「専門家を、もっと身近に」を掲げる弁護士ドットコムのニュースメディア。時事的な問題の報道のほか、男女トラブル、離婚、仕事、暮らしのトラブルについてわかりやすい弁護士による解説を掲載しています。