乳がんは、40〜50代の女性に多く発症し、早期に見つけることができれば完治も期待できる病気です。na_iさん(仮称)が胸の違和感を覚えたのは、ふとした日常の中でのこと。近くの病院では「経過観察」と言われましたが、どこか腑に落ちず、別の医療機関を受診し、乳がんと診断されました。現在は治療を終えたna_iさんに、発覚までの経緯や当時の心境、治療選択時の思いなどを伺いました。
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2025年6月取材。
体験者プロフィール:
na_iさん(仮称)
1987年生まれ。石川県在住。第二子出産後2020年に足の痛みから受診し骨肉腫と診断される。約7カ月の入院治療後「無再発で経過しており、寛解状態」と診断され、現在は通常通りの生活で定期検査のみ。
「経過観察」に納得がいかず別の病院へ
編集部
最初に不調や違和感に気づいたのはいつですか?
na_iさん
2024年9月の初めくらいに、胸ではなく右の鎖骨の下や肋骨の下あたりに違和感がありました。「痛み」という感じではなく、何かが引っかかっているような違和感です。
編集部
受診から、診断に至るまでの経緯を教えてください。
na_iさん
最初は近所にある内科を受診しました。そこでは「様子を見てください」とのことでしたが、気になる違和感だったので少し納得がいっていませんでした。10年ほど前に膵臓の良性腫瘍の摘出をしたことがあったので、そっちの方で定期受診をしていた県立中央病院に電話で相談しました。すると「総合科で診てもらってください」と言われたので受診し、CT検査を受けたところ、「右胸に何かある」と言われ、次の週に乳腺科の予約をしました。
編集部
乳腺科ではどんな検査を受けましたか?
na_iさん
乳腺科では、マンモグラフィと超音波検査をした結果、「乳がんではなさそう。経過観察で大丈夫だと思うが、念のため組織検査をしましょう」とのことでした。私も乳がんとは思っていませんでしたので、組織検査の結果がでるまでの数日も、あまり気にせず過ごしました。すると後日、結果を聞きに行ったときに「非浸潤性乳管がん」という告知を受けました。がんだとはまったく思っていませんでしたので、本当にびっくりして最初は信じられませんでした。
編集部
具体的にはどんな病気だったのでしょうか?
na_iさん
私は非浸潤性乳管がんでした。周りの組織までは浸潤していなく、乳管の中に腫瘍がとどまっている状態です。
完治を目指し全摘出を選択
編集部
どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?
na_iさん
手術をすると言われました。全摘出だったら手術のみで治療終了、部分摘出だったら手術と放射線治療になると説明がありました。ただし、これは最初の診断通り「非浸潤性乳管がんだったなら」という場合です。手術してみて、万が一がんが浸潤していたら治療方針はまた変わってくるとのことでした。
編集部
そのときの心境について教えてください。
na_iさん
手術の方法は、最初から全摘出希望でした。胸がなくなることに多少抵抗はありましたが、数年前に骨のがん「骨肉腫」(※別記事参照)で抗がん剤治療をした経験があり、そのときの長期入院や抗がん剤の副作用がトラウマ的になっていましたので、「全摘出すれば1週間くらいの入院と手術で治療終了」と聞いて、正直気持ちが楽でした。
編集部
実際の治療はどのように進められましたか?
na_iさん
全摘出でしたので、手術を終えて治療が終了しました。手術の結果は浸潤・転移なしの「ステージ0」の乳がんでした。
編集部
受診から、現在に至るまで、何か印象的なエピソードなどあれば教えてください。
na_iさん
乳がん手術後、しばらくして頭に違和感を覚えるようになり「もしかして次は脳腫瘍かな……」ととても不安で、脳神経外科を受診しました。結果は脳には異常がなく肩こりが原因でした。乳がんの手術前に「術後、肩こりが起こるかもしれない」と少し聞いていたので「これかぁ」と思いましたが、そんなにも顕著に肩こりの症状があるのかとびっくりしました。現在は原因がわかって安心したのか脳の違和感はなくなりました。

