Tokyo Melody|Popup
「一度きりの上映」から、スクリーンへの帰還へ
この映画が初めて世に出たのは1985年。監督はアメリカ人アーティストのエリザベス・レナード。
フランス国立視聴覚研究所「INA」とともに制作され、日本では第1回東京国際映画祭で一度上映されたのみでした。
その後、VHSやDVD化もほとんど行われず、“観ることのできない作品”として語られてきた本作。しかし近年、倉庫から16mmフィルム原版が発見され、修復・デジタル化を経て、ついに劇場公開が実現します。
映画が捉えたのは「音楽家」だけではない
『Tokyo Melody』が特異なのは、坂本龍一を単なる作曲家・音楽家として描いていない点です。
映し出されるのは、1980年代の東京の都市風景、スタジオでのレコーディング風景、CM出演の舞台裏、YMO散開コンサート、戦場のメリークリスマスの印象的なシークエンス。
さらには、坂本自身の内省的なインタビューを通じて、創作と都市、個人と時代の関係性が浮かび上がります。
共演者として、矢野顕子、細野晴臣、高橋幸宏といった同時代を象徴する音楽家たちも登場。
YMO以降の日本の音楽史、さらには映像・広告・映画を横断する坂本龍一の活動が、都市文化の文脈の中で記録されています。
