【闘病】『乳がん』と“脳腫瘍”が同時に発覚… 幼い娘を残して「死んでしまうかも」

【闘病】『乳がん』と“脳腫瘍”が同時に発覚… 幼い娘を残して「死んでしまうかも」

左胸のしこりから乳がん(ステージIa)が判明したふじこさん(仮称)。精密検査でたまたま脳腫瘍も見つかり、二つの病と向き合うことになりました。乳がんは一度の部分切除で取り切れず、全摘と同時再建の再手術を決断。入院中に出会った人々の姿に背中を押され選んだ再建手術により、喪失感を抱かずに前向きな生活を送っています。家族や仲間の支え、さらに備えていた保険を原動力に、4歳の娘のため後悔なく今を生きるふじこさんの軌跡を紹介します。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2024年12月取材。

ふじこさん

体験者プロフィール:
ふじこ(仮称)

埼玉県在住。1977年生まれ。家族は夫と6歳の娘(2024年12月当時)。妊娠中から専業主婦になり、育児に少し余裕が出てきたので、再就職活動をしていた2023年9月に左乳がんが発覚し、手術や化学療法を受ける。現在はホルモン治療を続けながら、経過観察をしている。

寺田 満雄

記事監修医師:
寺田 満雄(名古屋市立大学病院乳腺外科)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

乳がんのPET-MRI検査で偶然見つかった脳腫瘍

乳がんのPET-MRI検査で偶然見つかった脳腫瘍

編集部

病気が判明した経緯について教えてください。

ふじこさん

左乳がんは、2023年8月に自分で胸に小さなしこりがあるのを発見したのがきっかけです。口コミで評価のよい乳腺科を探して、9月にそこを受診しました。女性の先生に、触診とエコー検査をおこなっていただき、「7割ぐらいの確率で悪性だと思うから、針生検をやりましょう」と言われ、針生検を受けました。約2週間後に結果が出て、ステージIaの乳がんと診断されました。

編集部

脳腫瘍もこのときにわかったのですか?

ふじこさん

乳がんと診断された病院で、「若いので、がんに特化した病院をお薦めします」と紹介状を書いていただき、大きな病院の乳腺外科を受診しました。そこで、転移やがんの広がりを調べるPET-MRI検査をしたときに、たまたま右の前頭葉に2、3cm程の脳腫瘍があることがわかり、脳神経外科の診察を受けました。ですが、こちらは経過観察をしながら、乳がんの治療が落ち着いた2024年3月に摘出手術を受けたところ、良性腫瘍と判明しました。

編集部

そうだったのですね。それぞれに自覚症状などはあったのでしょうか?

ふじこさん

乳がんに関しては先述の通り、ある日、左胸に小さなしこりがあるのに気がついたからです。「左胸にはあるのに、右胸にはない」それだけでした。脳腫瘍の自覚症状は、まったくありませんでした。

編集部

どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?

ふじこさん

乳がんについては、最初は「部分切除の手術と放射線治療、ホルモン治療になると思う」と言われ、2023年12月に部分切除の手術を受けました。年明けに手術の病理検査の結果が出て、断端陽性(手術後に、切除した組織の断片やその周辺にがんが見つかった状態)で、がんが思ったより広い範囲にあったために取りきれていなかったことがわかりました。すると、放射線治療はせずに半年後に全摘の再手術をおこなうと告げられました。

編集部

再手術を受けることになったのですね。

ふじこさん

はい。2024年8月に左乳房全摘と、腹部からの遊離皮弁法で同時再建手術を受けました。そして、2025年中には乳頭再建手術を受ける予定になっています(取材時)。

編集部

病気が判明したときの心境について教えてください。

ふじこさん

「自分は早く死んでしまうかも……。4歳(取材時)の娘はどうしよう」と思いました。そして、いつ死ぬか分からないから後悔のないように今を楽しもうとも思いました。

乳房再建手術に対して前向きな気持ちになった理由

乳房再建手術に対して前向きな気持ちになった理由

編集部

初めは乳房再建手術に対して関心がなかったそうですが、乳房再建手術をおこなおうと思ったのはどうしてでしょうか?

ふじこさん

入院したときに同部屋になった人たちが自分より年上の人だったのですが、多くの人が乳房再建手術を受けていたのです。それを見て、自分もやってみようかなという価値観に変わりました。乳房再建手術をおこなった結果、「片方の胸がないんだ……」と思う喪失感を感じることなく過ごせています。反対意見も多かったですが、やってよかったと思います。再手術をするなど、回り道はしたけれど、これがなかったら乳房再建手術はしていなかったでしょうし、結果的にはそれでよかったなと思います。

編集部

発症後、生活にどのような変化がありましたか?

ふじこさん

乳がんや脳腫瘍の原因は明確には分かりませんが、食べる物や睡眠、運動などの生活習慣が影響しているのではないかと思い、できるだけ自然の物を食べるように気を使うようになりました。また、ストレスや疲れも病気の原因だと思うので、無理をせずに休むことも大切だという考えに変わりました。また、育児や家事も以前より夫が手伝ってくれるようになりました。

編集部

病に向き合う上で心の支えになっているものを教えてください。

ふじこさん

子どもの存在、家族によるサポート、仲のよいママ友が私の心に寄り添って話を聴いてくれること。これらが、私の支えになりました。また、入院や通院の保障が付いたがん保険に加入していたので、医療費の心配があまりないことも助かっています。不謹慎な話ですが、この入院が終われば保険金がもらえるというのも、治療を頑張る原動力になりました。

編集部

もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか?

ふじこさん

「“自分はがんにはならない”と思っていたけれど、やはり食べ物や生活習慣はよい方がいい」と言ってあげたいです。また、「がん保険やもしものときの保障をしっかりやっておいた方がいい」とも助言したいですね。

編集部

現在の体調や生活などの様子について教えてください。

ふじこさん

現在は、乳房再建手術で腹部を大きく切除した傷痕がまだ痛いですが、基本的にはまるで病気のことがなかったかのように、元気に日常生活を送れています。ただ、脳腫瘍で開頭術をおこなったため、車の運転はドクターストップが出ており、不便だと感じることも多いです。現在はホルモン治療をおこなっています。これは、短期間に入退院を繰り返したことや、手術で全身麻酔を3回おこなったこと、また、入院中にホルモン剤の服用をストップしたことなどから、ホルモンバランスが乱れてしまい、月経不順になったからです。また、不正出血もあるので、定期的に婦人科を受診してホルモン治療もおこなっています。ホルモン治療に関しては、毎朝「タモキシフェン」というホルモン剤を1錠飲むだけなので、抗がん剤などに比べると副作用やしんどさはないと思います。

≪↓ 後編へ続く ↓≫

※この記事はメディカルドックにて《【闘病】4歳娘を残し『死んでしまうかも…』 「乳がん」と「脳腫瘍」が発覚して》と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。


(後編)【闘病】病気のことを理解して、納得のいく治療を選択することが大切

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。