2025年7月5日「大災害の予言」がもし"的中"していたら──メディアは正気を保てたのか

2025年7月5日「大災害の予言」がもし"的中"していたら──メディアは正気を保てたのか

●テレビ番組やコタツ記事の問題点

また、偽情報の拡散に関するものですが、コーネル大学のクレア・ウォードル准教授が提唱した「増幅のトランペット」は、レガシーメディアが偽情報を増幅し、拡散してしまう危険性について指摘しています。

レガシーメディアの影響は、私たちの社会においてまだまだ大きいのです。こうした観点から言えば、特にアテンション・エコノミーとの距離が近いワイドショーやコタツ記事で、予言(の的中)がセンセーショナルに取り上げられる可能性があることには注意が必要でしょう。

●陰謀論を増幅しうる自らのリスクを「レガシーメディア」が自覚すべき

さらに、先ほど述べた通りソーシャルメディアは、アルゴリズムなどの仕組みによって、感情を刺激する情報や新奇性のある言説に実態以上の力を与えてしまう側面があります。

ソーシャルメディアのなかに潜む陰謀論を、レガシーメディアが安易に「ソーシャルメディアの声」として報じることによって、小さな火種に過ぎなかった陰謀論を増幅してしまう可能性があります。

放送事業者を含むレガシーメディアには、日本国憲法21条に基づき、報道・放送の自由が与えられています。これは国民個々人のための表現の自由と異なり、国民の知る権利を充実させて民主主義をより豊かにするという職責を果たすために与えられたものです。

不確かな言説が気軽に日常を跋扈する時代だからこそ、レガシーメディアには、ソーシャルメディアとつながっているということを意識した、より良いコンテンツの制作を担ってほしいと思います。

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弁護士ドットコム

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