
家事や育児、介護など、家族の生活を回すための労働は「無償労働」「ただ働き」と呼ばれることが多い。だが実際に担っている側からは、「不眠不休で働いている」「時給換算なんてできるレベルじゃない」といった悲鳴も聞こえてくる。今回は、そんな専業主婦の現実をテーマにした漫画を紹介する。
■「休む暇なんてない!」時給換算なんてできるわけない専業主婦の日々



近年、政府やメディアが専業主婦の家事労働を月給換算して発表する機会が増え、世間では賛否が真っ二つに割れている。「専業主婦に給料はおかしい」「衣食住は保証されている」という声があれば、「相応の対価がなさすぎる」「時給が出たらやる気も違うのに」といった反論もある。特に子育て中は、入園前まで四六時中子供と向き合い、イヤイヤ期やトイレトレーニングに追われて「休む暇なんてない!」というのが本音だろう。
■選択は間違っていた? 評価なし、終わりなし、社会の視線も冷たかった
みこまるさん(@micomalu)の漫画「専業主婦は『働いてる』とは言わないの?」の主人公サチも、1歳と3歳の子供を育てる専業主婦だ。子供の成長をそばで見守りたいと退職を選んだものの、社会の視線は思った以上に冷たく、「この選択は間違っていたのだろうか」と不安がよぎる。誰にも評価されず、終わりも休憩もない毎日——。それなのに気づけば肩身の狭さを感じてしまうのだ。
■「これ、かなりハードな仕事では?」作者自身の実体験が詰まったリアル
生活のなかの「共感」を丁寧にすくい上げてきたみこまるさんは、「実は私も専業主婦でした」と語る。子供とたくさん触れ合いたいという前向きな理由で選んだ道なのに、どこか後ろめたさがつきまとったという。「でも本当にそうなのかな?」という疑問から、弁当作り、送り迎え、公園遊びと続く毎日を振り返り、「これ、かなりハードな仕事では?」と感じたことが、作品の出発点になっている。
■なぜ専業主婦は「暇そう」に見えてしまうのか
「専業主婦って暇じゃん」「家にいるだけでしょ」。そんな言葉が向けられる背景には、育児や介護の大変さが見えにくいことがある。収入を得ていない、時間の融通がききそう、といったイメージが先行し、「ノルマも上司もいない楽な生活」と誤解されがちだ。しかし実際は、予定通りにいかない連続で、気を抜く暇もない。
■デキすぎな夫がくれる一言の重み
本作には、サチの頑張りを自然に認める夫が登場する。みこまるさん自身も「あの夫は創作だからこそ、かなりデキた人です!」と笑いながら語るが、「専業主婦である妻に、そんな気持ちで接してもらえたら」と願いを込めた存在でもある。たった一言の「ありがとう」や「助かっているよ」が、心をふっと軽くしてくれる。
■時給なしでも評価されなくても、その価値はちゃんとある
感謝や思いやりが行き交うことで、「今日もがんばるか!」と前を向けるようになる。読者からも「救われた」「無償だからこそ価値がある」という声が寄せられており、サチの姿に自分を重ねた人は少なくないだろう。家事や育児に明確な時給はつかなくても、その重みは確かに存在する。読み終えたあと、少し心が晴れる一作だ。
取材協力:みこまる(@micomalu)
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