10歳で生涯を終えるはずが…死神と出会い人生が激変する少年の物語が「めちゃくちゃ気持ちがいい」【漫画】

10歳で生涯を終えるはずが…死神と出会い人生が激変する少年の物語が「めちゃくちゃ気持ちがいい」【漫画】

『夏になったらやってくる!死神のクワガタのお兄ちゃん』が話題
『夏になったらやってくる!死神のクワガタのお兄ちゃん』が話題 / 画像提供/とらじろうさん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、2025年9月26日にX(旧Twitter)に投稿された『大病だった男の子が人生を謳歌する話』をピックアップ。本作は『夏になったらやって来る!!死神のクワガタのお兄ちゃん』第1話のエピソードだ。

作者のとらじろうさんが本作をX(旧Twitter)に投稿されたところ、7千件以上もの「いいね」と共に多くの反響コメントが寄せられた。本記事では作者のとらじろうさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。

■病室で一生を終えるはずだった男の子が…
『夏になったらやってくる!死神のクワガタのお兄ちゃん』(1/53)
『夏になったらやってくる!死神のクワガタのお兄ちゃん』(1/53) / 画像提供/とらじろうさん

心臓の病気で生まれてからずっと病室で過ごしてきた友也。一度も病室の外の世界を知らないまま、10歳の生涯を閉じようとしていた…生まれてこのかた、友也がベッドから見続けてきたのは両親の涙ばかり。最期くらいは二人に笑ってほしかった…と思った矢先、病室に飛び込んできた騒がしい声。声の主は友也を迎えに来た死神ザンルークだった。

「お前クワガタ好きなのか」
友也のクワガタのぬいぐるみを見て、死神の口から出たのは意表をつく一言。そこから事態は急転。誰もが予想できない友也の人生が幕を開ける。読者からは「勢いとテンションにやられました」「大変素敵なマンガ」「めちゃくちゃ気持ちがいい」「気持ちよく引っ張られる」など大きな反響が寄せられている。

■作者・とらじろうさん「あなたが生きていること」が誰かの希望
『夏になったらやってくる!死神のクワガタのお兄ちゃん』(2/53)
『夏になったらやってくる!死神のクワガタのお兄ちゃん』(2/53) / 画像提供/とらじろうさん


――本作を創作したきっかけや理由があればお教えください。

本作は、「生きる」こと「病気」のこと「死ぬ」ことをテーマにした漫画です。

私は元々、病院関係の仕事に携わっており、これまで多くの患者さんと関わってきました。医療現場には家に帰りたくても帰れない患者さんがたくさんいます。

「猫の世話がしたいから帰らせてほしい」と先生にお願いするおばあちゃんや、「娘が今日、運動会なんです」と話すお母さん。

家に帰ってほしいという想いと、そうはいかない現実。そのすれ違いを何度も目の当たりにしてきました。

ですが、漫画の中ならその願いを叶えることができるんです。

おばあちゃんは家に帰って猫とのんびり暮らせるし、運動会を楽しみにしていたお母さんは、お弁当を作って娘たちの成長を見届けることができる。――漫画の中なら。

この作品は、「生きることの希望」と「死ぬことの希望」、その両方を描いた漫画です。

死んだあとも物語は続いていく…
だから本作の主人公、友也は「死ぬことも楽しみかも」と言って希望に満ちたまま亡くなっていきます。

今、死の恐怖と戦っている方がこの漫画を読んで少しでもその恐怖から解放されますようにという願いと、「あなたが生きていること」が誰かの希望になっているという真実に気づいてほしいとの想いがこめられています。

命の尊さと、何気ない日常の幸せを再確認するきっかけになればと思っています。

――本作を描くうえで特にこだわったことや、「ここを見てほしい」というポイントを理由と共にお教えください。

こだわった点は本当にたくさんあります。

本作は「拡張型心筋症」を題材にしていますが、あえて病名は作中で明かしていません。繋がれている医療機器や入院中の様子から、読者の方に「これは何の病気なんだろう?」と疑問を持ち、興味を持ってもらえたらと考えながら描きました。

そこから調べた先で心臓病の詳細に辿り着いたり、「こんな世界があるんだ」と知るきっかけになってほしいと思い、手術痕や医療機器が自然と目に入るよう構図にもこだわっています。

また、冒頭の一コマ目から主人公以外の赤ちゃんの遺体が描かれていたり、あの世の社会的な仕組みが語られたりと、読者の方に「今後の展開」や「これってもしかして…」と考察してほしい伏線を随所に張り巡らせています。

個人的に特に気に入っているのは、年月の経過を「向日葵」と「蝶」で表現したシーンです。向日葵は“生者”、蝶は“死者”を象徴しています。

年を取らない死神と、月日とともに老いていく人間。そのギャップを描いた、切なくも日々の愛おしさを感じられる大切な場面です。

――“死神”と“クワガタ”は意外な組み合わせですね。どこから着想を得られたのでしょうか。

実は本作の前に、他の死神が主人公のギャグ漫画を描いていたのですが……その作品での出来事が基盤になっています(笑)。

『ずっと初心者でいたい!ベテラン死神見習いちゃん』という別作品で、昇進が決まった死神と現代社会人の社畜がタッグを組み、死神上司を説得して昇進を阻止しよう…という話なのですが、そこで本作の主人公である死神・ザンルークが初登場します。

その初登場の際、なぜか作者の意図とは関係なく「クワガタ好き」というキャラクターになってしまい……。

そのまま「じゃあ、このクワガタ好きの設定でいこう」と思ったのが、本作へと繋がっています。

――他の作品にも“死神”が登場しますが、とらじろうさんにとっての“死神”にはどのような意味があるのでしょうか。

私は昔から想像力が豊かで、嫌なことがあると頭の中で別の世界へ行き、「誰か」に相談したり話を聞いてもらったりしていました。

その世界が今描いている物語の「あの世」であり、私の頭の中に実在していた存在を具現化したのが今の“死神”たちです。

物語やセリフも、すべてを私が一から考えているというよりは、彼ら同士のやりとりや実際にあった出来事を形にしている感覚に近いです。

私にとって死神たちは人生を共にしてきた友人のような存在であり、これからも仲良く付き合っていけたらと思っています。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

私の作品は、すべてが繋がっています。

本作の主人公は亡くなりますが、その後の物語はあの世で続いていきます。

現在連載中の『死神育文書』にて、その続きを描く予定ですので、ぜひ楽しみにお待ちいただけたら幸いです。

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