【医師に聞く】成長期を過ぎても「身長を伸ばす」ことは可能? 治療できる人・できない人とは?

【医師に聞く】成長期を過ぎても「身長を伸ばす」ことは可能? 治療できる人・できない人とは?

「子どもの身長が伸びない」「周りと比べるとかなり低い」。そんな悩みから、医療機関の受診を検討する保護者は少なくありません。では、どのタイミングで受診すべきなのか、そして実際にどのような検査や治療がおこなわれるのでしょうか? 日本整形外科学会専門医の川原先生(白山かわはら整形外科)に詳しく聞きました。

※2025年10月取材。

≫【1分動画でわかる】成長期を過ぎても「身長を伸ばす」ことは可能? 治療できる人・できない人とは? 川原 昭久

監修医師:
川原 昭久(白山かわはら整形外科)

福島県立医科大学医学部卒業。その後、昭和大学藤が丘病院(現・昭和医科大学藤が丘病院)整形外科入局。東戸塚記念病院、横浜新都市脳神経外科病院、横浜旭中央総合病院、海老名総合病院、山梨赤十字病院、戸塚共立リハビリテーション病院(現・戸塚共立いずみ野病院)、相模野病院などで研鑽を積む。西新宿整形外科クリニック院長を経て、白山かわはら整形外科を開院、院長となる。日本整形外科学会専門医。ロコモアドバイスドクター。

成長の仕組みと「低身長」の考え方

成長の仕組みと「低身長」の考え方

編集部

子どもの身長は何によって決まるのですか?

川原先生

身長は主に遺伝の影響を受けますが、それだけではありません。睡眠や栄養、運動、ホルモンバランスなどの要因も大きく関わります。同じ遺伝子であっても、生活環境によって成長に差がでることは多くあります。

編集部

「低身長」とはどのように判断されるのですか?

川原先生

同性・同年齢の平均身長よりも著しく低く、さらに成長率(1年間にどれだけ伸びるか)が基準を下回る場合に「低身長」と診断します。単に背が低いというだけではなく、成長のスピードにも注目します。

編集部

「低身長」は病気なのですか?

川原先生

基本的には病気ではありません。ほとんどが体質的・遺伝的な要因による個人差です。しかし、中には病気によって身長が伸びない場合もあります。また、小さく生まれてその後もあまり身長が伸びないケースもあります。こういった原因の場合、早めに治療を受けることで、身長を伸ばせる可能性があります。

編集部

具体的に、どういった病気がありますか?

川原先生

成長ホルモンの分泌異常や甲状腺機能低下症、染色体異常、骨の発育障害などの疾患が原因となることがあります。またホルモン分泌異常も、先天的な病気によるケースと、極端な偏食やストレスによってホルモン分泌が乱れ、身長の伸びに影響を与えるケースがあります。

低身長の検査・治療についても知りたい!

低身長の検査・治療についても知りたい!

編集部

医療機関で低身長の治療ができるのですか?

川原先生

そうですね。病気が隠れていないかの確認や、治療が必要かどうかの判断などのためにも、一度医療機関にかかるとよいかと思います。特に、成長曲線で身長が平均より2SD(標準偏差)以上下回っている場合は早めの受診をおすすめします。早期に原因を特定し、治療を開始することで効果が高まる可能性があります。

編集部

どのような検査をするのですか?

川原先生

問診や採血・採尿、レントゲンの検査などをおこないます。血液検査では成長ホルモン、甲状腺ホルモン、性ホルモンなどの値を測定します。レントゲンでは骨年齢を確認し、骨端線が閉じているかを判断します。

編集部

骨端線が閉じているかどうかで治療は変わるのですか?

川原先生

はい。骨端線が開いていれば、成長ホルモン治療や生活改善によって身長を伸ばせる可能性がありますが、閉じている場合は骨の伸びは期待できません。

編集部

成長ホルモン治療とはどのようなものですか?

川原先生

体内で分泌が足りない成長ホルモンを注射で補う治療です。これは体が本来もっているホルモンを適切に補充するもので、骨や軟骨の成長を助けます。治療は毎日の注射をおこない、医師の管理のもとで継続する必要があります。

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。