
国境を越えて紡がれる創作の源泉
14歳で初めてヨーロッパを旅して以来、国境のない生き方を続けるヤマザキマリ。イタリアのフィレンツェ国立アカデミア美術学院で美術史と油絵を学び、その後エジプト、シリア、ポルトガル、アメリカなど、さまざまな文化圏で暮らしながら培ってきた知識と経験は、彼女の作品に豊かな彩りを与えています。
古代ローマと現代日本の入浴文化をクロスオーバーさせた代表作『テルマエ・ロマエ』は、マンガ大賞2010や第14回手塚治虫文化賞短編賞を受賞し、映画化もされた大ヒット作。2024年には『プリニウス』(とり・みきとの共著)で第28回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞するなど、現在も第一線で活躍を続けています。
本展では、ヤマザキマリの活動のインスピレーションの源泉がどこにあるかを探るため、三つの側面から彼女の創作世界に迫ります。
三つの顔から見るヤマザキマリの世界
画家として



山下達郎のアルバム「SOFTLY」(2022年)のジャケット用に描かれた油彩肖像画をはじめ、落語家・立川志の輔の高座での姿、さらには文楽の人形遣いで人間国宝の桐竹勘十郎を描いた作品など、画家としての顔を見ることができます。美術学院で学んだ技術と独自の感性が融合した油彩作品は、漫画とは異なる魅力を放っています。
著述家として




単著本から共著本、雑誌記事まで、その多岐にわたる著作活動を網羅。『ヴィオラ母さん』や『ムスコ物語』など、世界各地での暮らしや子育てを綴ったエッセイは、ユーモアと洞察に満ちています。文化や歴史についての深い考察が込められた執筆活動の全貌をご覧いただけます。
漫画家として




ファン垂涎の展示が、手描き原稿の数々です。『テルマエ・ロマエ』をはじめとする作品の原稿を間近で鑑賞できる貴重な機会となります。現在「少年ジャンプ+」で連載中の『続テルマエ・ロマエ』とともに、漫画家としての創作の軌跡をたどることができます。
