
婚活中にマッチングアプリで年下男子のこうきと出会ったアイコ。見た目も悪くなく、大手IT企業勤務ということもあり、よい相手かもしれないと思っていた。しかし、一緒に行った食事でまさかの「1円単位のワリカン」を要求してきたのだ。この衝撃的な「ワリカン男」と、おごられて当然だと考える「昭和女」のアイコ。一見わかり合えないと思われた二人が、お互いを少しずつ理解し、惹かれ合っていくラブコメ漫画が「『女はおごられて当然』と思ってる昭和引きずり女が、婚活した話」だ。1巻が発売されたばかりで注目を集める本作について、作者のコニシ ナツコさんに制作秘話などを聞いた。
■作者コニシ ナツコさんが漫画を描き始めたきっかけ



コニシ ナツコさんに漫画を描くようになったきっかけを尋ねると、「小学生のころ、少女漫画を読むのが好きで少しだけ真似ごとで描いていたこともあったのですが、数年でほかの夢もでき、それから大人になるまですっかり絵を描くこと自体やめてしまっていました」と話す。それが30代半ばになってから、偶然インターネットを通して大学時代の先輩が漫画家になっていることを知ったという。「未経験からでも描けるものなのかな?私もこんなのが描けたらいいなあ」と思い、iPadを購入してイラストから描き始めたのがきっかけだそうだ。
まさか大人になってからまた漫画を描くとは1ミリも思っていなかったというコニシさん。もともと漫画以外のことでSNSの発信もしていたため、描いたものをSNSに載せることに抵抗はなかった。すると、これまでの発信よりも漫画のほうが断然ウケが良く、「こっちの方が求められてる…?」と思いながら続けてきて今に至っている。
■「昭和女」と「イマドキ男」の対比
昭和の価値観を持ったアイコと、イマドキな価値観を持ったこうきの対比がおもしろい本作だが、「昭和な価値観をひきずっている女性を主人公に」というのが構想の発端だったのか尋ねると、「どちらのキャラクターにもモデルがいて、それがこの作品の発端になっています。モデルとは私自身と昔お付き合いしていた男性ですが…」と明かした。当時、男性はおごってくれるものだと思っていたコニシさんと、絶対におごらないタイプの彼の価値観の違いに悩んでいたという。「この漫画を描くことで彼の価値観を理解していけるのではないかという下心もあって…この漫画の前身となる作品を描き始めました」と語る。
もともと、男性性と女性性の違いをおもしろいと思うことが多かったり、女性の成長をテーマにしたいという思いもあったりしたため、そこに今回のキャラクター設定を加えて描いているそうだ。もちろんモデルそのままではなく、今では二人のキャラクターは独自のものになっているという。
1巻が発売されたばかりだが、周囲や読者からの反響について尋ねると、「30代半ばを過ぎてから漫画制作を始めたので、友人知人には驚かれています」と話す。それもコニシさん自身の人生の変化や成長そのものなので、いずれ漫画に盛り込んでいきたいそうだ。自分と同世代の女性に向けて描いたつもりだったが、男性の友人からも「おもしろい」と言ってもらえたりしてとてもうれしく思っているという。主人公のアイコは誰からも好かれるタイプではないので、ネガティブな反応もあるかもしれないという緊張もあるが、読者の感想はその方の価値観のフィルターを通して出てくるものだと思うので、さまざまな感想を楽しみにしている。
「こんな男ぜったい嫌!」と思っていたアイコが、固定観念を覆す彼の言動にいつしか惹かれ始め、変わっていく様子から目が離せなくなる本作。ほかにも独自の価値観を持った人々が登場し、「わかる!」と共感できるポイントも多いので、まだの人はぜひ一度読んでみてほしい。
取材協力:コニシ ナツコ(@natsukoni81)
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