血液や血管の健康維持に関わるEPAと、免疫機能や味覚の維持に欠かせない亜鉛は、現代の食生活では不足しがちな栄養素です。本記事では、EPAとDHAの違いや併用の意義、亜鉛の多様な生体内機能について解説します。製品選択の基準や適切な摂取量、過剰摂取のリスクなど、安全に活用するための知識をご紹介します。

監修医師:
濱木 珠恵(ナビタスクリニック新宿)
北海道大学医学部を卒業後、国立国際医療センターにて研修。
虎の門病院、国立がんセンター中央病院で造血幹細胞移植の臨床研究に従事。都立府中病院、都立墨東病院での血液疾患診療を経て、2012年にナビタスクリニック東中野院長、2016年よりナビタスクリニック新宿院長に就任。
貧血外来や女性内科などで女性の健康をサポート。
【専門・資格・所属】
血液内科、貧血、女性内科、内科一般
日本血液学会 専門医
日本内科学会 認定医
EPAサプリメントの特性と健康への貢献
EPA(エイコサペンタエン酸)は、DHAと同じオメガ3脂肪酸の一種で、主に青魚に含まれます。青魚を日常的に食べる機会が少ない方にとっては、サプリメントで補給したい成分の一つです。
EPAの体内での働き
EPAは、血小板の凝集を防いで血流をスムーズにし、血栓を作りにくくする働きがあり、血液や血管の健康維持に関わる成分として注目されています。血管の柔軟性を保ち、血圧の安定に役立つともいわれており、この作用によって動脈硬化や心疾患のリスクを下げる可能性があります。
またEPAは血液中の中性脂肪を減らす働きもあり、医療機関では高純度のEPAを含む医薬品が、脂質異常症の治療に使用されるケースがあります。さらにEPAは体内で代謝される過程で抗炎症作用を持つ物質に変換されるため、関節の炎症や皮膚の炎症など、炎症性症状の改善にも役立つと考えられています。
EPAとDHAの違いと併用の意義
EPAとDHAは、どちらもオメガ3脂肪酸ですが、体内での働きには違いがあります。EPAは主に血液や血管に作用し、DHAは脳や神経組織で重要な役割を果たします。両者は互いに補完的な関係にあり、両方を摂ることでより幅広い健康効果が期待できます。
一般的な魚油サプリメントには、通常EPAとDHAの両方が含まれていますが、比率は製品によって異なります。血液や血管の健康維持を目的とする場合はEPAが多く含まれる製品を、脳機能や視覚機能のサポートを重視する場合はDHAが多い製品を選ぶのが適しています。
体内でEPAからDHAへの変換が一部行われますが、変わる量はごくわずかなため、両方の成分をバランスよく摂取するのが理想です。1日あたりの目安は、EPAとDHAを合わせて1gから2g程度の摂取を推奨することが多いです。
EPAサプリメントの適切な利用法
EPAサプリメントを効果的に利用するためには、選び方や摂取方法、そして注意点を理解することが大切です。例えば、血小板凝集の抑制作用があるため、日頃から血液をサラサラにする薬を飲まれている方は留意が必要なこともあります。このように、適切な知識を持つことで、安心して健康管理に役立てられます。
製品選択の基準と品質管理
EPAサプリメントを選ぶ際には、EPA含有量を確認しましょう。製品のラベルには、1回分または1日分あたりのEPA含有量が記載されています。目的に応じた適切な量を摂取できる製品を選ぶことが大切です。
製品の純度も重要な選択基準です。高品質な魚油は、精製の過程で水銀やダイオキシンなどの環有害物質が除去されています。第三者機関による品質認証を受けている製品は、信頼性が高いといえるでしょう。
カプセルの形状や大きさといった飲み込みやすさも継続するうえで大切です。自分に合った製品を選びましょう。魚特有の臭いが気になる方は、胃で溶けず腸で溶ける腸溶性カプセルなどを選ぶと、臭いを感じにくくなります。
価格は品質に比例することが多いですが、高ければいいとも限りません。成分表示や製造元の情報をよく確認し、総合的に判断しましょう。
効果的な摂取タイミングと継続の重要性
EPAは脂質を含む食事と一緒に摂ることで、吸収率が向上するといわれています。朝食や夕食時など、毎日決まったタイミングで摂取する習慣をつけると、飲み忘れを防ぐことができます。
EPAの効果を実感するには数週間〜数ヶ月の継続が必要です。体内のEPA濃度が安定するまでには時間がかかるため、短期間で結果を求めずに、少なくとも2ヶ月から3ヶ月は継続して様子を見ましょう。
摂取量については、製品の推奨量を守りましょう。健康な方が予防目的で使用する場合と、特定の健康課題を抱えている方が使用する場合では、適切な量が異なる可能性があります。不明点がある場合は自己判断せず、医師・薬剤師に相談しましょう。
ほかの薬やサプリメントと併用する場合は、特定の成分が過剰にならないよう、総摂取量を調整しましょう。特に抗凝固薬を使用している方や、手術を控えている方は、事前に医師に相談することが重要です。

