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「多発性骨髄腫」の新薬タービーが変える治療の未来とは 専門医が語る患者への新たな選択肢

「多発性骨髄腫」の新薬タービーが変える治療の未来とは 専門医が語る患者への新たな選択肢

従来薬が効かない患者の厳しい現実

欧州のデータによれば、3つのクラスの薬剤をすべて使った後に、残っている従来の治療法をおこなっても、全奏効率(治療を受けた患者のうち、がんが縮小または消滅した患者の割合)は約30%しかありません。つまり、10人のうち3人にしか効果が見られないということです。

さらに厳しいのは、効果が続く期間です。伊藤教授は「再発せずに生存している期間の中央値は約4.6カ月。4~5カ月経つと、半分の人は再発するか亡くなってしまうという結果です。全生存期間の中央値も約1年。半数の方が1年以内に亡くなられてしまうというデータになっています」と深刻な状況を語ります。

これを何とか克服することが、多発性骨髄腫治療における最大の課題でした。新しい治療法の開発が切実に求められていたのです。

タービーが示した「奏効率70%超」の意味

タービーは「二重特異性抗体」という新しいタイプの薬です。伊藤教授によれば、骨髄腫細胞に発現している「GPRC5D」という抗原と、患者さんのT細胞(免疫細胞)に発現している「CD3」という抗原の両方に結合します。
「つまり、骨髄腫細胞とT細胞をつなげることで、T細胞が骨髄腫細胞を攻撃するように仕向けるのです」

臨床試験の結果は驚くべきものでした。3つのクラスの薬剤を使い切った患者さんでも、海外データでの奏効率は74.6%。日本人データでは77.8%という高い数値を示しました。従来の30%と比べると、倍以上の奏効率が得られるという結果です。

伊藤教授は「さらに重要なのは、完全奏効の割合も海外データで33.6%、日本人データで47.2%と高く、深い奏効を得ることができたことです。深い奏効が得られると、長期の寛解期間を得ることができます」と強調します。治療開始から奏効までの期間の中央値も1~1.38カ月と短く、1~2サイクルの治療で効果が現れる「切れ味のいい薬剤」といえます。

配信元: Medical DOC

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