「多発性骨髄腫」の新薬タービーが変える治療の未来とは 専門医が語る患者への新たな選択肢

「多発性骨髄腫」の新薬タービーが変える治療の未来とは 専門医が語る患者への新たな選択肢

味覚障害や爪に変化が? 知っておくべき副作用

最も多い副作用は「サイトカイン放出症候群」で、海外データでは72.5~78.7%、日本人では75.0%の患者さんで起こると報告されていますが、伊藤教授によればほとんどが軽度で、適切な管理をすれば問題なく治療を続けることができるといいます。

タービー特有の副作用として、「味覚障害」「皮膚障害」「爪障害」があります。「日本人を対象とした研究において味覚障害は63.9%に認められ、味がわからなくなったり、ご飯がおいしくなくなったりすることがあります。同様に皮膚障害は27.8%に生じると報告されています。また、爪障害は5.6%に見られ、爪の形がおかしくなったり、薄くなったりすることがあります」と伊藤教授は説明します。

ただし、これらの副作用で治療を中止する割合は0~1%です。
「うがいを定期的におこなう、栄養士さんのサポートを受けて食事を工夫する、場合によっては休薬するなど、適切にマネジメントすることで、多くの患者さんが治療を続けることができています」

従来のBCMA標的薬と比べて感染症のリスクが比較的低いのも特徴です。重篤な感染症は18.6%と、BCMAを標的とする二重特異性抗体より低い値を示しています。

CAR-T療法と違う「すぐ使える」メリット

CAR-T細胞療法も3つのクラスの薬剤に抵抗性となった患者さんに有効な治療法ですが、伊藤教授によれば、患者さんのリンパ球を採取して、海外に送って遺伝子を導入し、1カ月以上経って戻ってきたものを投与するという複雑な過程が必要だといいます。その間に病状が悪化してしまうと、治療を受けられない可能性もあります。

「一方、タービーは『オフザシェルフ』、つまり棚からすぐ取り出せる薬です。普通の薬剤として保管されているので、必要なときにすぐ使うことができます。地域の患者さんにもすぐに届けることができるのは大きなメリットです」と伊藤教授は語ります。

また、CAR-T療法は比較的元気な方でないと受けられませんが、タービーは高齢者やある程度臓器障害がある方でも使える可能性があります。より多くの患者さんに治療の機会を提供できるということです。

配信元: Medical DOC

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