回転寿司、少しネタに触れたけどレーンに戻したらアウト?「自分が食べたいネタではなかった」

回転寿司、少しネタに触れたけどレーンに戻したらアウト?「自分が食べたいネタではなかった」

「回転寿司テロ」の騒動以降、店内での客の振る舞いにも、厳しい視線が注がれるようになっています。

そんな中、弁護士ドットコムには「回転寿司で間違えて皿を取り、レーンに戻してしまいました」という相談が寄せられています。

相談者によると、ある回転寿司店を訪れた際に、注文のシステムがよくわからないまま、目の前に流れてきた皿を思わず取ってしまったそうです。

さらに、皿の上にのっていた寿司ネタがシャリから落ちている状態だったため、そのネタをシャリの上に戻す際、少しだけ手で触ってしまったといいます。

ただ、自分が食べたいネタではなかったことから、「パニックになりレーンに戻してしまいました」。

悪意を持って商品につばをつけたり、店の備品を舐めたりする行為は論外です。

しかし、今回のように「パニック」や「意図せず無意識」で、一度触った寿司皿をレーンに戻す行為は罪に問われるのでしょうか。

また、店側から損害賠償を請求される可能性はあるのでしょうか。今井俊裕弁護士に聞きました。

●法的には「違法」と評価されうる

──一度触った寿司皿をレーンに戻す行為は犯罪になるのでしょうか。

今回のように、明確な悪意や、悪ふざけに基づく行為でなくとも、回転レーンからいったん皿を手に取って、そして寿司ネタに手を触れたうえで、再びレーンに戻す一連の行為は、法的にいえば「違法」と評価されうるでしょう。

──どんな罪に問われるのでしょうか。

刑法の教科書的な整理にしたがえば、器物損壊罪の成立が問題になるでしょう。

器物損壊罪は、他人の物を「故意」に壊したり、汚したりして「物の効用」を害した場合に成立します。

今回の場合は、(1)うっかり「手に取って」寿司ネタを(2)再びレーンに戻していますので、器物損壊が成立するとはいえないでしょう。

(1)には「故意」がなく、(2)は「損壊」とはいえないと考えられるためです。

また、(2)に関連して、偽計業務妨害罪などは成立する可能性があります。ただし、本当に「無意識」なら故意がないとされる可能性もありますし、パニックになってレーンに戻したということであれば、実際に立件されることはないでしょう。

●弁償責任があっても1皿分程度か

──では、どうして違法となるのでしょうか。

民事上の責任を追及される可能性があるからです。

一方で、店の運営会社に対して多額の損害賠償責任を負うかといえば、その可能性は低いと考えられます。

相談者が自身の行為をSNSなどで拡散したわけでもなく、店の営業や信用を著しく害したと評価される事情がなければ、問題になることは通常ありません。

負うとしても、弁償責任は、手に取ってネタに触れたひと皿の代金相当額にとどまるでしょう。

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