【2022年アカデミー賞直前集中連載】ジョン・カビラさんの個人的ドハマリ映画をご紹介

【2022年アカデミー賞直前集中連載】ジョン・カビラさんの個人的ドハマリ映画をご紹介

カビラさん個人的推し作と、芸術教育への問題提起

 作品賞候補の洋画でお好きだったのは?


 『ウエスト・サイド・ストーリー』と『コーダ あいのうた』かな。私事ですが、子どもがバークリーのサマースクールに行ってたり、ボストンに馴染みがあったり。また、僕が子どものころ(オリジナル版の)『ウエスト・サイド物語』を観る前にサントラを聴いていて。当時両親が沖縄、那覇の「國映館」か「琉映館」(双方もうない劇場)に観に行って、いたく感動してサウンドトラックを買ってきてくれたんですよ。何度もかけて、ああアメリカってこうなんだ、と思いましたね。ティーンエイジャーになって初めて『ウエスト・サイド物語』を観てまた染みるという……。スピルバーグ監督ありがとう、ですね。さらにダンスシーンはオリジナルよりもっとすごい。あのダンスアンサンブルはどこを切り取ってもすごい!


 「マンボ」と「アメリカ」のシーンがすごすぎましたね。群舞がぶつかりそうでぶつからない、スレスレライン。

『ウエスト・サイド・ストーリー』
監督:スティーヴン・スピルバーグ/出演:レイチェル・ゼグラー、アンセル・エルゴート、アリアナ・デボーズ、リタ・モレノ ほか/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン/公開:現在、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー中 ©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

『コーダ あいのうた』
監督:シアン・ヘダー/出演:エミリア・ジョーンズ、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、トロイ・コッツァー ほか/配給:ギャガ/公開:現在、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー中 ©2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS

 あのレベルの人数がいて、一流のアンサンブルを磨き上げる素地がある。エンタメのピラミッドを支える圧倒的な夢追い人がいるからできるハリウッドだからこそ。ハイスクールの時代にストレートプレイ、ミュージカルをアメリカ全土で何千校もやってるんですよね。レベルに応じて進学できる大学があり、その大学でも演劇科があって、その中でミュージカルをやり、制作をやり、当然制作スタッフとしても学びがあるわけですよ。それが全部有機的にベースをさらに豊かにする。80年代レーガン政権のころに大幅に文化的な予算がカットされたんだけれども、その素地ってやっぱり教育とトレーニングなんだよなって思いますね。なんかもう悔しいですね(笑)。


 日本だとまだまだですからね。


 なんで義務教育に学芸会以外の演劇がないんだと。つまるところそう。才能は人種で壁はないから、「日本人ができない」とか「日本人離れ」とかやめようよ、と思うんです。それも、なんで日本人自身が決めつけるの。他から言われるならまだしも……。あ、全然本題から離れてしまった(笑)。


 「日本人離れ」なんて絶対に言わせない(笑)。そのとおりですよ。


 昔から「日本的経営」って言うけど「は? なにそれ」ですよね。「シンガポール的経営」とか「オランダ的経営」って言わないですよね。何十年もメディアにいるけどよくわからない。そんなこと言うからみなガチガチに、自己制限をかけてしまうわけですよ。


 あたしも使わないようにしています。


 あー、気をつけよう。もし僕が言ってたら教えてくださいね。「カビラ! あんなこと言ってたけど違うじゃん」って(笑)。


いかがでしたか? 第94回アカデミー賞授賞式は、まもなく3月28日(日本時間)開催です。劇場公開中や配信等で今すぐ観られる作品も今年はたくさんあるので、駆け込みでチェックしてから放送を観ると、もっともっと授賞式を楽しめると思います!

ジョン・カビラ
1958年生まれ、沖縄県出身。テレビ番組MC、スポーツキャスター、ラジオパーソナリティ、タレントとして広く活動中。2007年より、WOWOWのアカデミー賞授賞式の中継番組で案内役を務めている。

よしひろまさみち
本誌のほか、数多くの媒体で映画に関する企画の編集・執筆を行う。「本当におもろいもんしか紹介しない」がモットー。編集部も全幅の信頼を置いており、観る作品に困ったらとりあえずよしひろさんに聞いてます。

『生中継!第94回アカデミー賞授賞式』
LA授賞式司会:レジーナ・ホール、エイミー・シューマー、ワンダ・サイクス/日本スタジオ案内役:ジョン・カビラ、宇垣美里/スペシャルゲスト:斎藤工、中島健人(Sexy Zone)/スタジオゲスト:河北麻友子、町山智浩(リモート)/LAレッドカーペットレポーター:小西未来/3月28日 7:30〜生中継(同時通訳)、22:00〜収録(字幕版)

WOWOWプライムにて独占放送&WOWOWオンデマンドにて独占配信

interview & text:MASAMICHI YOSHIHIRO / photo:YOSHIKUNI NAKAGAWA(JON KABIRA)

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オトナミューズウェブ

「37歳、輝く季節が始まる!」がキャッチコピー。宝島社が発行する毎月28日発売のファッション誌『otona MUSE』がお届けする、大人のためのファッション・ビューティ・ライフスタイル情報!