ゲーム依存から抜け出せない夫は、家族との時間を削り、再びゲームにのめり込んでいく。約束を破り、隠れて借金を重ねていたこともわかり、夫婦の溝は深まるばかりに――。
「ごめん」夫の言葉を信じたいけど…
子どもの学費のための貯金にゲーム課金のために手を付けておきながら「あとで返すんだからいいだろ」と発言した夫。私はその発言だけは聞き捨てならないと思った。
「え?今なんて言った?」
問い詰める私の声は、震えていた。夫は私の目を見ようとせず、テーブルの上に置かれたスマホを握りしめている。
「いや、ごめん…忘れて」
彼はそう言って濁した。しかし、通帳の残高はごまかせない。
「絶対返せないよね?今手持ちが足りなくて家のお金から借金した状態なのに」
「…ごめん。本当に、やめる。もう、アプリも消す…」
彼はその場でアプリをアンインストールし、勝手に引き出したお金は少しずつ返していくと約束した。私はその言葉を信じるしかなかった。子どもたちの寝顔を見ていると、子どもたちの大事なパパをここで切り捨てられないと思った。
「もう二度と、こんなことはしないで。わかった?」
「…うん、わかった。本当にごめん」
消したはずのアプリ
それから1か月。リビングの片隅に置かれたスマホに、彼は一切触れなかった。子どもたちと再び笑顔で遊び、みずほが「パパ、鬼ごっこしよう!」と言えば、疲れ果てて帰ってきたはずなのに、笑顔で庭を走り回ってくれた。このまま、元の生活に戻れるのかもしれない。そう思って、私は安堵していた。
しかし、私の安堵は長くは続かなかった。ある日、夫のスマホの通知に、見覚えのないアプリのアイコンを見つけた。
「あれ、このアプリ、前に消したはずだよね…?」
夕食後、リビングで寛いでいる夫にそう尋ねると、彼は一瞬顔をこわばらせた。
「あ、いや、これはまた違うやつで…」
彼はごまかそうとしたけれど、アプリのアイコンは紛れもなく、彼が一度消したはずのゲームアプリだ。再びの話し合いは、前回よりもはるかに難航した。
「ゲームはもうやめられない」
ゲームを続けていたことを白状した夫は力なくそう言った。
「まさか…課金…してるの…?」
夫はもう逃げられないと思ったのか、課金もしたと白状した。しかも今回はバレないように、別の貯蓄口座に手を付けていて、残高はかなり減ってしまっていた。短期間で課金する額にしては多すぎると思うほどだった。
そのゲームは、メッセージを送信するのにお金がかかるシステムらしい。おそらくそのメッセージに課金しているのだろう。ネットで調べてみると、そのゲーム内で知り合った女性とのやりとりに夢中になる男性が多いという。
「女の子とやりとりしてるんでしょう?」
私が聞くと、夫は「そんなことない!ゲーム内の仲間と作戦を立てたりしているだけ」と言い張った。

