主人公・あやかは同僚の礼子さんから不倫の悩みを1人で聞かされ続けています。誰にも相談できずストレスを募らせる中、妊娠中の不倫相手の妻の話を聞いて嫌悪感を抱き、感情が爆発。関係に亀裂が入っていきます。
なぜか私だけ、不倫話を聞かされる
礼子さんが職場で不倫の話をしているのは、どうやら私にだけらしい。だから、他の同僚に相談しようにも、なかなか切り出せずにいました。
「礼子さんが不倫の話をしてくるんです」
なんて、勝手に言えませんよね。だから、誰にも言えず、ずっと1人で抱え込んでいました。結局のところ、礼子さんが不倫をしているからといって私に実害はありません。もしかしたら、こういう状況の時に、むしろエンタメとして面白がって聞ける人もいるのかもしれません。
でも、私にはできませんでした。どうしても、礼子さんと彼の向こう側にいる、彼の奥さんや子供のことが頭をよぎってしまいます。きっと真実を知れば深く傷つくでしょう。そんな行動を平気でできる礼子さんの話を、前向きに聞くなんてできませんでした。
やめてください、ということができない…
LINEで長文が送られてくるたびに、うんざりする気持ちは募るばかり。でも礼子さんが時折見せる、すねたような態度や相手を悪く言う攻撃的な行動を思い出すと、敵対すべきではないと思いなおしていました。
でも、嫌悪感を抑えきれなかったできごとがあります。
ある同期が産休をとる挨拶をしたすぐあとのランチタイム。2人で食事をしていたら礼子さんが、「そういえば、セフレの奥さんも今妊娠中なんだって」と、まるで世間話でもするかのように平気で言ってきたんです。
その言葉を聞いた瞬間、私の背筋が凍りつくような感覚がありました。
何人もセフレがいるという礼子さんは、もしかしたら何か性病にかかる可能性もあるでしょう。その病気はその彼にもうつる可能性があります。もし、その奥さんが旦那さんと性行為をして、その結果、病気を移されてしまったら、お腹の赤ちゃんまで危険にさらされるかもしれないのに?
そんなことを想像すると、怒りよりも先に、ただただ気持ちが悪くなりました。

