今の幸せを噛み締めているけど…
でも、その感謝と同じくらい、私の心には重い石が置かれていました。
「あんな最低な母親のようになるなよ。あいつは人間じゃない、悪魔だからな」
幼いころから、耳にタコができるほど聞かされてきた母への罵詈雑言。私は父を悲しませないよう、ずっと「お母さんなんて大嫌い」という仮面を被って生きてきました。
「サツキ?どうした、ぼーっとして」
オサムが心配そうに顔を覗き込みます。
「ううん、なんでもない。ただ、今の幸せが壊れなきゃいいなって」
まさか、あの「悪魔」と呼んでいた母親と、再び関わることになろうとは。しかも、今では私の心の支えになりつつあるなんて。 運命の歯車は、私がオサムの転勤で、偶然にも母の住む街へ引っ越した時から回り始めていたのです。
あとがき:幸せへの祈りと、過去の足音
愛するわが子の笑顔に触れるたび、自分を捨てた母親への怒りが再燃する……。サツキの心にあるのは、父への深い感謝と、裏腹にある「良い子でいなきゃ」という切迫感です。
女性にとって「育ち」や「親の言葉」は、大人になっても見えない足枷になることがありますよね。完璧な幸せを手に入れたはずのサツキが、忌まわしい過去とどう向き合っていくのか。不穏な運命の幕開けに、胸が締め付けられます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

