
ほんの一瞬、目を離した隙に4歳の娘・七海は姿を消した。それから10年。事件は何ひとつ進展しないまま、時間だけが過ぎていく。しかし母親・麻衣の中で、娘は一度たりとも「失われた存在」になったことはなかった。「七海はきっと、親切な人に育てられている」。根拠はない。それでも疑いようのない確信だけが、麻衣を支え続けてきたのだ——。
■疑惑の矛先と、母が踏み込んだ“危険な一線”



鳩ヶ森さん(@hatogamori)の描く物語「仮門」はこれまで、不気味な言動を見せる父親や、母親の友人、そして行方不明の娘の幼なじみなど、さまざまな人物に疑いの目を向けてきた。そんな中で浮上したのが、「小さな女の子をさらったことがある」という噂を持つ人物。その正体は議員の息子で、事件は父親の権力によってもみ消されたとされている。
不穏な空気が濃くなる中、麻衣は“昔のツテ”を使い、ヤクザに接触する。「この男を捕まえて、私の前に引っ張り出して」。普通の母親とは思えない覚悟で放たれたその言葉は、物語を一気に動かしていく。
■「あのときの貸しを返せ」!? 母の過去が明かされる
最新話では、麻衣とヤクザの過去の関係も描かれる。ただ娘を探すだけの存在だと思われていた母が、「あのときの貸しを返せ」と強気に交渉する姿は衝撃的だ。
麻衣というキャラクターは、実は細かく設定を固めて作られた存在ではないという。「娘が行方不明になっている母親」という立場を中心に据え、物語の中で自然に動かしてきたと語る鳩ヶ森さん。ただし、七海をあきらめない、必ず取り戻すという意志だけは、どんな場面でも揺るがせにしなかった。その一貫した思いが込められた麻衣という人物は、圧倒的に強く、魅力的だ。
■解決編へ向かう物語はまだまだ続く、そして裏テーマは“愛”
第6話の公開により、物語はいよいよ解決編へと舵を切った。ただ、鳩ヶ森さんによると、序盤に散りばめた伏線を回収するため、もうしばらく展開は続く予定だという。真相とラストはすでに決まっているものの、そこへ至る道のりは決して簡単ではないようだ。
また本作では、事件の裏側で夫婦愛や恋人同士の愛情も描かれていく。失踪事件という重いテーマの中で浮かび上がる“人を思う気持ち”が、どのような形で物語に結実するのかも見逃せない。
各話のラストに描かれる相関図は、最新話ですべての枠が埋まった。すべての点がつながったとき、10年前の事件はどんな真実を突きつけるのか——。母の愛が導く結末を、ぜひ最後まで見届けてほしい。
取材協力:鳩ヶ森(@hatogamori)
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