●「故意」の有無が争点に
問題なのは、単に肘が当たっただけでは処罰は難しい、という点です。
犯罪の成立には「故意(※「わざと」くらいの意味)」が必要です。つまり、意図的に接触していたと認められる必要があります。
たとえ激しい動きがなくても、接触を認識しながら長時間にわたって体を押し付け続けることは、痴漢行為とされる可能性があります。
加害側が「居眠りをしていて気づかなかった」「座席が狭かったので仕方がなかった」などと弁解することも考えられます。
しかし、あまりに不自然に腕を突き出していたり、相手が身をよじって避けようとしているのにさらに押し当ててきたりするような状況があれば、客観的に見て「故意に体を触りにいっている」と判断される材料になります。
こうした行為は単なるマナーの問題として片付けられがちですが、度を越した密着は犯罪になり得ます。「これくらい我慢すべき」と軽視せず、社会全体でこうした「押し付け」行為の悪質性を認識していく必要があるといえるでしょう。
監修:小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

