再発を防ぐために経過観察は必要?
結論からいえば、前立腺がんの再発防止のためには経過観察が必要です。以下のような理由があるからです。
摘出しても再発する可能性があるため必要
年単位で再発を防ぐため必要
病状やリスク因子によっては必要
また、監視療法と呼ばれるような経過観察法もあります。
摘出しても再発する可能性があるため必要
前立腺がんの摘出手術を行っても、目に見えないがんが残っている可能性はゼロではありません。特に前立腺がんは、手術を行っても4人に1人は再発することが確認されています。
しかも、1年以内に前立腺がんの再発が確認されるケースが珍しくありません。
前立腺に限らず、がんは早期治療を行えば治る疾患です。早期発見のためにも、経過観察が必要となります。
年単位で再発を防ぐために必要
前立腺がんのなかには、手術から数年後に再発というケースもあります。すぐに再発しないからといって放置すると、数年後に再発したことに気付かないことも起こりうるのです。
前立腺がんの進行がゆっくりだといっても、発見が遅れると命に関わることはほかのがんと変わりません。年単位の再発を防ぐため、長期の経過観察も必要です。
病状やリスク因子によっては必要
摘出時点で前立腺がんが進行していた場合、再発のリスクは高いので経過観察が必要となります。
また前立腺がんの原因そのものはわかっていませんが、食習慣をはじめ罹患しやすいリスク因子があることは判明してきています。一例を挙げれば、欧米型の食習慣は前立腺がんの発症リスクを高める要因です。
再発を防止するためにはリスク因子を排除していくことも重要で、そのためにも経過観察は欠かせません。
監視療法と呼ばれる経過観察法もある
前立腺がんの進行は遅い部類で、年単位で進行が見られないこともあります。また、尿失禁・勃起障害(ED)など手術には後遺症のリスクもあるのです。
このため積極的な治療を行わず、定期的にPSA検査・前立腺生検を行ってがんが進行しているか確認します。監視療法とは、このような方法です。
もちろん、検査でがんが進行していることが判明すれば手術をはじめとする積極的な治療に切り替えます。
前立腺がんの治療法
前立腺がんの治療法として考えられるのは、以下のようなものです。がんの進行状態に合わせて、適切な治療法を選択します。
放射線治療
内分泌治療
手術療法
薬物療法
放射線治療
前立腺がんで行われる放射線治療は外照射療法・組織内照射療法の2種類です。
外照射療法は体外から患部に放射線を当てるもので、組織内照射療法は放射性物質の封入された容器を体内に入れるものです。
副作用としては外照射療法は排便、組織内照射療法は排尿に関するものが目立つ傾向にあります。
内分泌療法
前立腺がんを進行させる原因のひとつは、男性ホルモンによる刺激です。
この刺激を抑えるために、男性ホルモンの働きを抑える薬を使用するのが内分泌療法です。女性ホルモン・副腎皮質ホルモンを使用することもあります。
副作用としてはホットフラッシュ・性機能低下などがあります。治療を長期間続けていると、効果が低下する点も問題です。
手術療法
手術は前立腺と精嚢を摘出する全摘術が主流で、がんの進行状態によってはリンパ節郭清も併せて行われます。がんが前立腺内にとどまっていることが手術の条件です。
場合によっては、前立腺の被膜を越えている状態でも行われます。完治が望める治療法ですが、術後に尿失禁・性機能低下などが起きる可能性があることがデメリットです。
薬物療法
一般的な抗がん剤治療で、前立腺がんの場合は内分泌療法の効果がなくなったときに行われます。がんの進行によって手術療法ができなくなったときの選択肢のひとつです。
経口・静脈注射によって投与されますが、重篤な副作用があると添付文書に記載されている薬剤があることが問題点です。

