劇場から5年。映画「もったいないキッチン」に描かれる日本の食品ロスとは

劇場から5年。映画「もったいないキッチン」に描かれる日本の食品ロスとは

“もったいない”をたどる旅物語


2020年に公開された『もったいないキッチン』は、オーストリア出身の映画監督でフードアクティビストでもあるダーヴィド・グロスが、旅の相棒・ニキとともに各地の人々と一緒に料理を作って食べることで、食品ロスの問題を考える映画です。

“もったいない”という言葉は、仏教の思想に根ざした言葉で、無駄をなくすということだけでなく、命への畏敬が込められています。ところが現実には、日本の食品ロスは世界でもトップクラス。年間643万トンの食料が廃棄され、国民一人あたりに換算すると、毎日おにぎり1個分に相当する食べ物を捨てている計算になるのです。

ダーヴィドは日本各地でコンビニや一般家庭、料理人などさまざまな人たちと出会い、捨てられてしまうはずだった食材を救出。キッチンカーでおいしい料理に変身させる「もったいないキッチン」をオープンさせるのです。

コンビニの裏側に潜むロス


映画の序盤では、食品廃棄施設やコンビニの現場が紹介されます。

廃棄施設には形の悪い野菜や少し傷がついただけの果物、工場で作りすぎてしまった料理や賞味期限が近い商品など、まだ食べられるはずのものが大量に持ち込まれていました。

実際に捨てられたサラダを前にダーヴィドは「どこが悪いのだろう」と首をかしげます。

コンビニでは、本部からの発注システムがロスを生む要因になっていると指摘されます。納期に間に合わせるために発注前から調理を始めざるを得ず、結果として大量に廃棄食品が出てしまう。従業員たちも「もったいない」と思いながらも、ルール上は持ち帰れず、ただ廃棄するしかありません。

©UNITED PEOPLE

ダーヴィドはコンビニを運営する会社の役員に交渉し、廃棄される予定の食品の中から、消費期限内の豆腐や野菜を自己責任のもとにレスキュー。キッチンカーに持ち帰り、食材たちを豆腐ハンバーグに変身させました!

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