栃木の高校生暴行動画に「弱いものいじめはやめろ」県知事激怒…投稿や拡散に「名誉毀損」成立のリスク

栃木の高校生暴行動画に「弱いものいじめはやめろ」県知事激怒…投稿や拡散に「名誉毀損」成立のリスク

●炎上に加担する行為にも責任が、被害生徒の名誉も考えて

──すでに投稿された動画を拡散する行為についても法的責任を問われる可能性があるでしょうか。

あります。すでにネット上に投稿された動画や画像を拡散する行為についても、民法上の不法行為が成立する場合があります。

X上の「リポスト」(裁判時は「リツイート」)が、民法上の不法行為にあたるかどうかについて、大阪高裁(令和2年6月23日判決)は、コメントを記載しない「リポスト」のような拡散行為も、元ポストの趣旨とは異なる趣旨でリポストされたものだと解釈されない限り、元ポストを投稿した者と同様の損害賠償責任(不法行為責任)を負うとしています。

したがって、今回のケースでも、名誉権などを侵害する元動画を拡散すれば、損害賠償責任を負う可能性があります。

──「正義感」から拡散していると考える人もいるかもしれません。

たしかに「そもそも加害生徒が一方的に手を出しているのだから、動画を拡散されて当然だ、拡散されなければ、いじめが放置されていた」といった考えもあるかもしれません。

しかし、法的には、加害生徒の行為が、違法だからといって、無断で動画を拡散する行為が必ずしも正当化されるわけではありません。

また、加害生徒への制裁という側面に目が向きがちですが、被害生徒にとっても、暴行を受けている様子を撮影された動画がネット上で拡散されることにより、名誉権などが侵害される可能性がある点には注意が必要です。

【取材協力弁護士】
清水 勇希(しみず・ゆうき)弁護士
弁護士登録以降、相続法務、不動産法務、刑事事件等に注力。リット法律事務所は、元裁判官の弁護士も在籍する等、民事・刑事事件問わず、多数の紛争案件の解決実績を誇る。「クライアントの未来を灯す」という理念のもと、クライアントのために、迅速な案件解決に力を入れている。
事務所名:弁護士法人リット法律事務所
事務所URL:https://lit-law-office.com/

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