胃ろう造設後の自宅介護のポイント|ケア方法やよくあるトラブル、対処法も解説

胃ろう造設後の自宅介護のポイント|ケア方法やよくあるトラブル、対処法も解説

胃ろうでよくあるトラブル

胃ろうでよくあるトラブル

胃ろうを使用していると、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。ここでは代表的なトラブルとその特徴を解説します。

カテーテルに関するトラブル

カテーテル本体に起こるトラブルで代表的なのはカテーテルが抜けてしまうことです。認知症のある方や無意識に触ってしまう方でみられたり、バルーンが破損したり水が抜けたりすることで起こります。また、カテーテル自体が破損することもあります。シリコン製のチューブは長期間の使用や繰り返しの注入操作により、裂け目が生じたり、接続部が緩んで栄養剤が漏れたりすることがあります。

バンパータイプの場合、バンパー埋没症候群と呼ばれるトラブルが起こることがあります。これは胃内のバンパー部分が胃の壁に食い込んでしまう状態で、痛みや皮膚の発赤を伴います。放置すると感染のリスクが高まります。

栄養剤を注入する際のトラブル

栄養剤の滴下が止まる、注入の際に抵抗を感じるなどの場合は閉塞を疑います。そのほかのトラブルとして、注入の際や直後の嘔吐が挙げられます。

胃ろう周辺の皮膚に関するトラブル

胃ろう周囲部の皮膚の感染があると、発赤、腫れ、熱感、膿のような分泌物、悪臭などがみられます。また、胃ろうの挿入部に肉芽(にくげ)と呼ばれる、盛り上がった組織ができることがあります。このほかに、栄養剤が胃ろうの穴から漏れてしまうと、皮膚のびらんやただれが起こります。胃の内圧の上昇(消化管の運動の低下や便秘)や、ろう孔の広がりが原因の可能性があります。

胃ろうのトラブル別の対処法と受診目安

胃ろうのトラブル別の対処法と受診目安

胃ろうのトラブル別の対処法と受診目安を、具体的に解説します。カテーテルの抜去や破損、バンパー埋没症候群が疑われる場合、できるだけ早く医療機関を受診します。カテーテルを無理に再挿入しようとすると、ほかの臓器を傷つける危険があるため絶対に行わないでください。

カテーテルの閉塞が疑われる場合、吐き気や嘔吐がなければ、白湯を10mlほどカテーテルチップ型シリンジで胃ろうカテーテルに注入します。この際、強い力はかけないように気を付けてください。チューブの詰まりが解消されない場合や胃の内圧が上がっている場合は改善しないため、医療従事者へ相談しましょう。

嘔吐は、注入量が多すぎる場合や、注入後すぐに体位を変えた場合に起こることがあります。嘔吐がみられたら、嘔吐した物を誤飲しないように顔を横に向けます。胃ろう側のチューブを開放して栄養剤を逆流させ、胃の内圧を下げるよう努めます。逆流した内容物が気道に入ると誤嚥性肺炎のリスクがあるため、嘔吐後は発熱や呼吸の状態に気を付けます。嘔吐が続く場合や、肺炎の兆候がある場合は医療機関を受診しましょう。

胃ろう周囲の皮膚の感染がある場合、肉芽に変化がある場合は医療機関を受診します。具体的な肉芽の変化は、出血しやすい、大きくなる、感染のサイン(赤み、熱感、膿など)がみられることです。

皮膚のびらんやただれがみられる場合は、皮膚ケアの手順をしっかりと行います。なお、びらんやただれの原因が栄養剤の漏れによるものであれば、注入速度をゆるめるなどして対応します。改善がなければ注入は中止し、医療従事者へ相談しましょう。

在宅で胃ろう管理を行うなかで、すべてのトラブルを予防することは難しく、これらの何らかのトラブルが発生する場合があります。大切なのは、日々の観察と小さな変化への気付き、そしてトラブルが起こったり困ったりした際は、医療従事者に相談する姿勢です。介護する方だけで抱え込まず、医療従事者と連携しながらケアを続けていきましょう。

配信元: Medical DOC

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