急性骨髄性白血病の代表的な治療法
急性骨髄性白血病は悪性度の高い血液のがんですが、適切な治療によって長期生存率は向上しています。高齢者であっても、身体が健康であれば若年者と同じ治療を受けられます。急性骨髄性白血病の代表的な治療方法は、以下の2つです。
化学療法(抗がん剤治療)
同種造血幹細胞移植
それぞれの内容を解説します。
化学療法(抗がん剤治療)
化学療法はいわゆる抗がん剤治療で、薬剤によって白血病細胞を減少させる治療です。急性骨髄性白血病の化学療法は、治療の強度によって以下の3つに大別されています。
完全寛解を目指す強力化学療法
治療強度の弱い化学療法
緩和的支持療法
治療強度の選択は、患者さんが抗がん剤治療に耐えられる状態かどうかによって左右されます。
同種造血幹細胞移植
同種造血幹細胞移植とは、化学療法によって破壊された造血幹細胞をヒトから移植する治療方法です。骨髄バンクや臍帯血バンクからドナーを探し、強力化学療法の後に移植を行います。
化学療法は強すぎると正常な造血幹細胞まで破壊されて自力で回復できなくなりますが、移植が可能であれば強力化学療法も可能になります。高齢者の場合は移植後の生着不全や合併症のリスクが高まるため、適応できるかどうかは慎重な判断が必要です。
研究が進んでいる治療法
高齢者の急性骨髄性白血病は、若年者と同じような強力化学療法が難しいため、治療成績は低くなっていました。しかし、高齢者にも適応可能な治療方法の研究は進んでおり、治療成績が向上する可能性もあります。近年報告されている、高齢者の急性骨髄性白血病治療法を紹介します。
ベネトクラクスとアザシチジンの併用
ベネトクラクスとアザシチジンはどちらも既存の抗がん剤で、ベネトクラクスは日本ではリンパ性白血病の治療薬として保険適用されています。
米国のアッヴィ社が行った試験では、高齢による強力化学療法ができない患者さんにベネトクラクスとアザシチジンの併用療法を行ったところ、有意な治療成績の改善が示されました。
アザシチジン・プラセボ群に比べて、ベネトクラクス・アザシチジン併用群では死亡リスクが34%減少しています。
ダウノルビシン・シタラビン
ダウノルビシン・シタラビンは、急性骨髄性白血病の治療に用いられる代表的な抗がん剤です。完全寛解を目指す強力化学療法では、ダウノルビシン・シタラビン併用によって完全寛解率7割・長期生存率5割と報告されています。
高齢者であっても、身体の状態がよければ治療成績は若年者と同様です。この2つを配合した新たな薬剤も開発されています。

