脂質の少ない食べ物とは?メディカルドック監修医が一日の摂取量・効果・不足すると現れる症状・過剰摂取すると現れる症状・効率的な摂取方法などを解説します。

監修管理栄養士:
大隅 加奈子(管理栄養士)
管理栄養士取得後、特定保健指導や病院で栄養管理・栄養指導・給食管理に従事し、現在はフリーで活動中。イベントやセミナーに参加し、みなさまの食生活のお悩みに応えられるよう努めています。
「脂質」とは?

脂質とは「水に不溶で、有機溶媒に溶解する化合物である」と定義されています。水に溶けにくく、油に溶けやすい性質で、体内では水分の次に多く含まれています。
脂質はエネルギー産生栄養素の一つで、1gあたり9kcalという高エネルギーを生み出すことから、効率のよいエネルギー源といわれています。また、細胞膜やホルモンの構成、ビタミンの吸収を助けるなどさまざまな役割を担っています。
脂質というと「健康」「減量」「ダイエット」などから天敵と思われる方も多いですが、実は私たちの体に重要で欠かせない栄養素です。
多くの種類に分類され、栄養学的に重要な脂質は、脂肪酸・中性脂肪・リン脂質・糖脂質およびステロール類といわれています。それぞれに役割があり、なかには肥満・動脈硬化・生活習慣病、さらに重症化の予防につながるなど深く関わりがあります。脂質を含む毎日の食生活がいかに大切かがわかります。
普段私たちが調理で使う油は不飽和脂肪酸を多く含む常温で液体の「見える油」
お肉やお菓子・加工食品・インスタント食品など飽和脂肪酸を多く含む常温で固体の「見えない油」
この「見える油」「見えない油」を他の食品とバランスよく摂ることで、栄養価アップだけでなく健康的な体づくりにもつながります。
どちらかが不足しても摂りすぎても体に影響を与えてしまうので、まずは、脂質の種類・役割を理解し、必要な “ 適量 ” を摂取できるようにしていきましょう。
脂質の一日の摂取量

日本人の食事摂取基準2025年版(厚生労働省)において、1歳以上の男女に目標量〚 一日の総エネルギー摂取量の20~30% 〛が定められています。
一日の総エネルギー摂取量:年齢・性別・体重・身長・活動レベルから求められます。
一日の脂質摂取量は、脂質がエネルギー産生栄養素の一つのため、炭水化物やたんぱく質の摂取量を考慮する必要があります。
下限値の20%:飽和脂肪酸の目標量の上限を考慮して設定
飽和脂肪酸は、重要なエネルギー源の1つですが、体内でも合成されるため、摂りすぎると肥満の危険因子となります。また、高LDLコレステロール血症や心筋梗塞を始めとする循環器疾患の危険因子でもあります。成人18歳以上の男女に7%エネルギー以下の目標量が設定されています。
上限値の30%:必須脂肪酸(n-6系脂肪酸・n-3系脂肪)を確実に確保するという観点から設定
必須脂肪酸(n-6系脂肪酸・n-3系脂肪酸)は、体内で合成することができないため食事から摂る必要があります。確実に確保できる量として、性別・年齢ごとに目安量が設定されています。
<基準値として設定されていないが、望ましい数値があるもの>
コレステロール:体内でも合成されるため目標量を設定することは難しいとされているが、脂質異常症の重症化予防の目的から一日200㎎未満に留めることが望ましいとされています。
トランス脂肪酸:冠動脈疾患や認知症発症の危険因子の1つとして関与しています。人体にとって不可欠ではなく、積極的な摂取が勧められないため、1%エネルギー未満に留めることが望ましく、その中でもできるだけ低く留めることが望ましいとされています。

