「インフルエンザの薬」を飲むとどんな副作用が現れる可能性があるかご存知ですか?

「インフルエンザの薬」を飲むとどんな副作用が現れる可能性があるかご存知ですか?

インフルエンザにかかったとき、薬を使うべきか迷う方は決して少なくありません。「市販薬で様子をみても大丈夫なのか」「病院で処方される薬にはどのような効果があるのか」など、さまざまな疑問や不安を感じる場面があるでしょう。さらに、子どもに使っても大丈夫なのかといった点も気になるところです。
本記事は、インフルエンザ治療薬の効果や種類、副作用のリスク、市販薬を使用する際の注意点について解説します。

林 良典

監修医師:
林 良典(医師)

【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科

インフルエンザの薬とは

インフルエンザの薬とは

インフルエンザの薬で期待できる効果を教えてください

インフルエンザの薬(抗インフルエンザウイルス薬)で期待できる効果は、次のとおりです。

発熱期間が1~2日短縮される

鼻や喉からのウイルスの排出量が減り、周囲の感染リスクが下がる

抗インフルエンザウイルス薬は、体内のウイルスの増殖を抑える作用があり、発症後48時間以内の服用で、発熱期間が1~2日短縮されるといわれています。また、鼻やのどからのウイルス排出量が減少するため、周囲への感染リスクを下げる効果も期待できます。

参照:『インフルエンザQ&A』(厚生労働省)
参照:『病気を知るインフルエンザ(慶応義塾大学病院)』

インフルエンザになったら必ず薬を飲む必要がありますか?

いいえ。必ずしも薬を飲まなければいけないとは限りません。
インフルエンザは、発熱やだるさなどの症状が1週間程度続いた後、多くの場合自然に軽快する疾患です。そのため、薬を服用せずに回復するケースも少なくありません。
しかし、以下のような重症化リスクの高い方は、抗インフルエンザウイルス薬の使用が推奨されています。

幼児

高齢の方

妊産婦

基礎疾患(心疾患、呼吸器疾患、糖尿病など)を持つ方

息苦しさや咳などの症状が強い方

このような方々に対しては、薬の使用により、重症化の予防効果が期待できます。

なお、発症から48時間を過ぎてから服用する場合は、十分な効果が得られない可能性があります。したがって、抗インフルエンザ薬の使用はすべての方に必須ではなく、症状の程度や発症からの経過時間によって適応が異なるのです。

参照:『病気を知るインフルエンザ(慶応義塾大学病院)』

薬を飲めばインフルエンザの感染力はなくなりますか?

いいえ。薬を飲んだからといって、インフルエンザの感染力が完全になくなるわけではありません。抗インフルエンザウイルス薬は、ウイルスの増殖を抑えて症状の緩和や回復を早める作用はありますが、ただちにウイルスを体内から排除するわけではありません。
一般的に、インフルエンザは発症の前日から発症後5~7日間程度感染力があるといわれており、この期間はほかの方に感染させるリスクがあります。したがって、薬を服用して症状が軽くなった後でも、感染対策の継続が求められます。

参照:
『病気を知るインフルエンザ』(慶応義塾大学病院)
『インフルエンザ(季節性)』(一般社団法人日本感染症学会)

インフルエンザの薬の副作用を教えてください

抗インフルエンザウイルス薬の副作用には、めまいや不眠、嘔吐、腹痛、下痢などが挙げられます。また、重篤な副作用も報告されています。アナフィラキシーと呼ばれる急激なアレルギー反応や肺炎、肝機能障害などがその例です。

さらに、子どもや未成年の場合、薬の内服に関係なく、インフルエンザそのものが原因で異常行動が現れることがあります。実際には、発症後2日以内に、高所から飛び降りようとする、意味不明なことを叫ぶ、突然走り出すといった行動が報告されています。したがって、発症してしばらくの間は、子どもが一人にならないように見守ったり、室内の転落防止策をとったりする必要があります。

参照:
『抗インフルエンザウイルスの添付文書』(厚生労働省)
『インフルエンザQ&A』(厚生労働省)

子どもがインフルエンザの薬を飲んでも大丈夫ですか?

はい、子どもでも使用できる抗インフルエンザウイルス薬は数種類あり、年齢や体格、症状の程度に応じて適切な薬が処方されます。前述したとおり、特に乳幼児や基礎疾患のある子どもの場合、インフルエンザによる合併症や重症化のリスクが高いため、抗インフルエンザウイルス薬は重要な治療の手段の一つです。また、薬の形状も工夫されており、吸入や顆粒状のものなど、子どもでも服用しやすい形で提供されているものもあります。

参照:『2025/26シーズンのインフルエンザ治療・予防方針(日本小児科学会)』

薬が効かない場合はどうすればよいですか?

抗インフルエンザウイルス薬を使用しても症状が改善しない場合や、悪化していると感じる場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

薬の効果が感じられない場合、肺炎や気管支炎などの合併症を引き起こしていたり、薬剤耐性のあるインフルエンザウイルスに感染していたりする可能性があります。特に、息が苦しい、39度以上の高熱が続くような場合はすぐに受診しましょう。

参照:『インフルエンザQ&A』(厚生労働省)

インフルエンザの薬の主な種類

インフルエンザの薬の主な種類

インフルエンザ治療薬にはどのような種類がありますか?

抗インフルエンザウイルス薬には、次のような種類のものがあります。

薬剤名 投与方法 主な特徴

オセルタミビル 内服薬

ドライシロップ(粉薬)もあり、年齢を問わず使用できる。

1日2回、5日間使用する。

ザナミビル 吸入薬

1日2回、5日間使用する。

ラニナミビル 吸入薬

1回の吸入で治療を完結できる。

ペラミビル 点滴静注薬

通常1回投与で治療が完了するが、症状に応じて複数回投与する場合もある。

バルキサビルマルボキシル 内服薬

1回の服用で治療を完了できる。

12歳以上の使用が推奨されている。

このように、それぞれの薬は形状や投与の方法に違いがあるため、年齢や体調によって適した薬が異なります。

参照:『2025/26シーズンのインフルエンザ治療・予防方針』(日本小児科学会)
参照:『日本感染症学会提言~抗インフルエンザ薬の使用について~』(一般社団法人日本感染症学会)

吸入薬と内服薬の違いを教えてください

吸入薬は、薬をお口から吸い込み、直接気道や肺に作用するタイプの薬です。吸入によって薬が直接気道に届くため、薬の量が少なくて済み、副作用も出にくいのが特徴です。ただし、乳幼児や高齢の方などでうまく吸入ができない場合には不向きなこともあります。

内服薬は、一般的にお口から飲む薬のことを指します。薬は胃で溶けて腸から吸収され、血管を通じて全身に行き渡ります。一部は肝臓で分解された後、各臓器に作用します。内服薬は効果が全身に及ぶため、効果が現れるまでに時間がかかることがあり、胃腸などへの副作用が出る場合もあります。

参照:
『72内服薬』(一般社団法人千葉県薬剤師会)
『吸入薬』(慶応義塾大学病院)

配信元: Medical DOC

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