父に母との交流が露見し、サツキは「裏切り者」と激しく罵倒される。一方、助けを求めた母からは「あいつも執念深い」と開き直られ、両親の身勝手な主張に絶望。サツキは泥沼の板挟み状態で、心身共に限界を迎える。
母との再会がバレてしまった
母との交流が始まって半年。和人の2歳の誕生日に、父が遠方から遊びに来ることになりました。 私はパニックになり、慌てて母との痕跡を消しました。冷蔵庫にある母からの差し入れ、和人が描いた「ばあばの似顔絵」。すべてを隠し、何事もなかったかのように。
しかし、うっかり和人が父がいる前で「ばあば」と口にしてしまったようです。
「……サツキ、お前。あいつと会ってるのか」
夕食の席で、父がいきなり切り出しました。
「えっ、何言ってるの……。そんなわけないじゃない」
「嘘をつくな。あいつ、この近くに住んでいるんだろう?」
聞く耳を持ってくれない父
父の顔が、怒りと悲しみで歪みました。
「信じられないことだ。あいつがお前から、俺から、何を奪ったか忘れたのか?親戚にこのことが知れたら終わりだぞ。母親と親しくしてるなんて知ったら、全員がお前にも絶望する」
「お父さん、でも、お母さんは変わったの。和人にも良くしてくれてるんだよ……」
「今どうだろうと関係ない。俺たちの人生をめちゃくちゃにした張本人なんだぞ」
父の言葉は、正論でした。父の苦労を知っているからこそ、言い返せません。

