母の愚痴を聞くのも憂鬱
翌日、私はたまらず母に電話し、会って話をしました。
「お父さんがすごく怒ってる。もう会えないかもしれない」
ところが、母から返ってきたのは謝罪ではありませんでした。
「お父さんも執念深いわね。いつまで昔のことを根に持ってるのかね。あの人がもう少し柔軟な人なら、私だってギャンブルなんかに逃げなかったのよ」
「……お母さん、何言ってるの?自分がやったことでしょ?」
「あなたはお父さんの意見だけ聞いて育ったでしょ?私には私の事情があるのよ。それに、今あなたを助けているのは私でしょ?」
父は憎しみに囚われ、母は罪の意識が希薄。 どちらの言い分を聞いても、心がズタズタでした。
(もう、嫌……。どうして普通の両親じゃないの?)
母と会った後、私は和人を抱きしめ、声を殺して泣きました。板挟みの苦しみが、もう限界に達していました―――。
あとがき:正論の牙と、無責任な愛の正体
「お前を思って言っている」という父の正論は、時に呪いとなって子どもを縛り付けます。一方で、都合よく過去を美化する母の図太さ。どちらもサツキを一人の人間として見ていないことに気づかされる、あまりに過酷な回です。どちらの味方にもなれず、かといって切り捨てることもできない。家族という逃げ場のない檻の中で、声を殺して泣くサツキの姿に、共感せずにはいられません。」
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

