ご家族に医療的ケアが必要となり、介護医療院を検討し始めたものの、要介護度の条件や手続きなど、具体的な情報が少なく不安に感じることがあるでしょう。
この記事では、介護医療院の入所条件や要介護度の基準、手続きの流れ、施設で受けられるサービスや費用の目安、ほかの施設との違いを解説します。

監修社会福祉士:
小田村 悠希(社会福祉士)
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。
介護医療院とは

介護医療院は、長期的な医療と介護の両方を必要とする方が、安心して療養生活を送るための施設です。2018年に創設された新しい施設形態で、医療機関と生活施設の機能を兼ね備えている点が大きな特徴です。
主な役割は以下の3つです。
長期療養を支える医療と介護の提供
プライバシーに配慮した生活の場の提供
人生の最期まで支える看取りへの対応
介護医療院には医師や看護師が常駐し、日常的な健康管理から看取りまでを支援します。施設には、医療の必要度に応じてⅠ型とⅡ型の2つの形態があり、重度の医療ニーズに対応するⅠ型が約6割、容体が安定した方向けのⅡ型が約3割を占めています。ほとんどの施設はⅠ型またはⅡ型のどちらか一方で運営されています。
参考:『日本介護医療院協会2024年度調査結果』(日本慢性期医療協会)
介護医療院に入所できる要介護度

この章では、入所の基準となる要介護度の考え方、介護医療院に求められる要介護度の具体的な目安、そして身体的な条件を解説します。
要介護度とは
要介護度とは、介護の必要度を非該当(自立)または要支援1・2、要介護1~5の7段階で示す全国統一の区分です。市区町村の調査員による心身の状態の調査や、主治医の意見書などをもとに、最終的には介護認定審査会で要介護度を審査・判定します。
数字が大きくなるほど、より多くの介護を必要とする状態であることを示しており、この区分によって利用できる介護保険サービスの種類や量が決まります。
例えば、要介護1は立ち上がりや歩行に部分的な介助が必要な状態、要介護5は意思の伝達が難しく、生活全般で全面的な介護が必要な状態にあることが一つの目安です。
介護医療院に入所できる要介護度
介護医療院の入所対象は、原則として要介護1以上の方です。
しかし、医療機能を持つ生活施設という特性上、実際には医療的ケアの必要性が高い方が優先されます。厚生労働省の調査では、入所者の9割以上が要介護3以上で、喀痰吸引(かくたんきゅういん)などの医療的ケアを必要としています。要介護度の数字だけでなく、医療的な必要性をあわせて総合的に判断されると理解しておきましょう。
参照:『介護医療院におけるサービス提供実態等に関する調査研究事業(結果概要)』(厚生労働省)
そのほかの入所条件
介護医療院への入所には、要介護度の基準に加え、慢性的で長期的な医療と介護を必要とする状態が条件です。具体的には、以下のような医療的ケアが日常的に必要な方が対象です。
喀痰吸引や経管栄養が定期的に必要な方
褥瘡(じょくそう)の管理など、専門的な処置が必要な方
気管切開後の管理や、酸素吸入を常時行っている方
がんの終末期などで、痛みや苦しさを和げる緩和ケア(ターミナルケア)を必要とする方
ご本人の状態が入所条件に該当するかどうか、まずは担当のケアマネジャーや主治医に相談してみましょう。

