「推し」がいることは日々の励みになりますが、その相手が家族に隠したい存在であれば、やがて暮らしに影を落とすこともあるようです。健やかに楽しめる関係性であってこその推し活ですよね。今回は、筆者の知人から聞いた実話をご紹介します。
推し活の影
息子の妻であるA子さんは、「推し活」に夢中な、今どきの明るい女性でした。
最初は家族で微笑ましく見守っていたのですが、次第にA子さんの推し活はエスカレートし始め、「限定グッズが欲しい」「遠征費用が足りない」と、息子にお金の無心を繰り返すように……。
度重なる金銭の要求に、さすがに息子も困惑している様子。
私も、口出しこそしないものの、心配が募り始めました。
ただの趣味だったはずの推し活が、家庭に影を落とし始めていたのです。
心に芽生えた小さな疑念
そんなある日、A子さんがリビングに置き忘れたスマートフォンに、LINEの通知が届くのを偶然見てしまいました。
画面に表示されたのは「今月はいつ来れる?」というメッセージと、彼女が推しているらしいアイドルのアイコン。
一瞬、「えっ?」と思いましたが、「きっとファン同士のやり取りだろう」と自分に言い聞かせました。
しかし、一度抱いた疑念はなかなか晴れず、モヤモヤとした気持ちが残り……。
不安はじわじわと広がっていきました。

