限界を感じたときは介護医療院などの施設利用を検討しよう

自宅での介護は、進行に伴って必要な支援が増えるため、どれだけ頑張っていても続けることが難しくなる時期が訪れることがあります。夜間の徘徊や転倒が続く、排泄や食事を含めて生活全体に介助が必要になる、医療的な管理が増えるといった状況では、ご家族が日常生活と両立させることが難しくなることがあります。介護者自身の体調が優れない、睡眠不足が続く、仕事や育児との両立ができなくなるなど、ご家族側の理由で限界を感じる場合もあります。
そのようなときは、介護医療院や特別養護老人ホームなど、専門的なケアを受けながら生活できる施設の利用を検討することが選択肢です。介護医療院は、医療と介護の両方が必要な方が長期的に生活できる場所で、重度の認知症や医療的管理が必要な方にも対応しています。特別養護老人ホームは、日中だけでなく夜間も生活全体を支える体制が整っています。
また、いきなり長期入所を選ばずに、ショートステイを利用して一時的に負担を軽くしたり、ご家族の休息時間を確保したりする方法もあります。施設利用は介護をあきらめるという意味ではなく、ご本人とご家族が無理なく暮らし続けるための手段の一つです。限界を感じたときに早めに相談するようにしましょう。
まとめ

認知症の介護は、長い時間をかけて向き合うことが多く、ご家族の負担が段階的に変化していきます。自宅で生活する認知症の方は多く、発症から亡くなるまでの期間も長いため、初期から中期までは見守り中心の介護が続き、進行に伴って必要な支援が増えていきます。生活全般に介助が必要になると、ご家族の体力面や精神面の負担が大きくなり、仕事や家事との両立が難しくなる場面もあります。
一方で、訪問介護や訪問看護、デイサービスなどの介護サービスを活用することで、無理なく介護を続けるための体制を作ることができます。家族内で役割を分担することも、負担の偏りを防ぐうえで大切です。それでも限界を感じたときには、介護医療院や特別養護老人ホームといった施設を選択肢に加えることで、ご本人とご家族が生活を整えやすくなります。介護を続けるうえで大切なのは、一人で抱え込まず、状況に合わせて支援を組み合わせていくことです。
参考文献
『東京の高齢者の現状』(東京都福祉保健局)
『認知症の人のエンドオブライフケア』(公益財団法人 長寿科学振興財団)
『認知症ケア法-認知症の理解』(厚生労働省)
『認知症ハンドブック』(神戸市認知症疾患医療センター)
『日本における認知症による家族の介護負担』(日本医療マネジメント学会雑誌)

