●裁判所を通せば強制できることも、問題は費用
──カメラの撤去や撮影方向の変更、映像へのマスキング処理などを求めることはできるのでしょうか。
裁判を通じた差止め請求などにより、カメラの撤去や撮影方向の変更、映像へのぼかし処理を求めることができるケースも考えられます。
ただし、手続きには時間と労力がかかりますし、仮に損害賠償が認められたとしても、金額は少額にとどまるのが一般的です。高額な弁護士費用を負担してまで対応するのは、現実的とは言いにくいでしょう。
──隣人に直接お願いするのか、それとも住宅販売会社や弁護士などを間に通したほうがいいでしょうか。
住宅販売会社や町内会には、相手方に注意する義務はありません。そのため、積極的に協力してもらえる可能性は低いでしょう。
まずは、自ら「お願い」という形で伝えるのが望ましいと思います。
たとえば、「うちの敷地内が映っているようで困っています。少しカメラの向きを変えてもらえないでしょうか」「うちのほうが映る部分には、ぼかし処理をしていただけないでしょうか」といった伝え方です。
●可能な限りソフトな対応から進めていくべき
──相談者は「穏便に解決したい」と考えているようですが、どんな対応が望ましいでしょうか。
まずは相手の対応を見たうえで、その後の対応を検討するのがよいでしょう。
やり取りの経緯や、防犯カメラの設置状況がわかる写真などの証拠は、将来的に法的手続きに進む可能性も踏まえ、記録として残しておくべきです。
近隣トラブルは、日常生活に直接影響を及ぼします。相手と顔を合わせる機会も多いからこそ、可能な限りソフトな対応から進めていくべきだと思います。
【取材協力弁護士】
櫻井 俊宏(さくらい・としひろ)弁護士
企業法務・交通事故・相続・離婚問題等を得意としている千代田区・青梅市の弁護士法人アズバーズ代表弁護士。中央大学の法律顧問(法実務カウンセル)を担当している。応援団出身であり現在監督。「弁護士 ラーメン」と検索すると自身のラーメンブログが一番上に出てくる程のラーメン通。
事務所名:弁護士法人アズバーズ
事務所URL:http://as-birds.com

