かゆみが少ない皮疹は「環状肉芽腫」のサイン? 特徴と経過観察の重要性を医師が解説

かゆみが少ない皮疹は「環状肉芽腫」のサイン? 特徴と経過観察の重要性を医師が解説

環状肉芽腫の治療

環状肉芽腫では、症状に応じて治療法が判断されます。

環状肉芽腫は自然に治癒することも多く、特別な治療をおこなわず経過を観察することもあります。

しかし、治癒するまでに時間がかかることが想定される場合や、痛みなどの自覚症状を伴う場合には、皮疹に対する局所治療がおこなわれることがあります。

局所治療としては、薬物療法、光線療法、凍結療法などがあります。

薬物療法

薬物療法では、免疫反応に伴う炎症を抑える作用のある副腎皮質ステロイドや、「タクロリムス」という免疫抑制剤などの外用薬が用いられます。

外用薬のほか、症状によっては皮疹に副腎皮質ステロイド薬の注射をおこなうこともあります。

光線療法

環状肉芽腫では、紫外線を用いた光線療法が行われることがあります。現状実施できる医療機関は限られていますが、Narrow-bandUVBやエキシマレーザーなどの光線治療により、皮疹の改善効果が期待できると考えられています。
特にエキシマレーザーは限局した病変にピンポイントで照射できるため、効果的な選択肢とされています。治療法は症状の広がりや患者の状況に応じて選択されるため、医師と相談しながら適切な方法を決定することが重要です。

凍結療法

凍結療法は、液体窒素を用いて皮疹の細胞を壊死させ、取り除く治療法です。

治療では、液体窒素を含ませた綿棒を皮疹に当てる処置を複数回おこないます。細胞が壊死した皮疹は次第に剥がれ落ち、下から新しい皮膚が再生します。

治療後は凍傷によって痛みが生じますが、時間の経過とともに軽快します。

環状肉芽腫になりやすい人・予防の方法

環状肉芽腫の明確な原因は解明されていないため、なりやすい人や予防の方法については分かっていません。

しかし、虫刺症や糖尿病、末梢循環障害、HIV、B型肝炎などがきっかけで発症するケースもあります。そのため、このような疾患を予防したり、既に発症している場合には適切な治療を受けたりすることで環状肉芽腫の予防にもつながるかもしれません。

虫刺症はノミやシラミ、マダニなどに刺されることで発症することがあります。自宅にノミやシラミ、マダニなどが発生している場合には、殺虫剤を使用したり、駆除業者に依頼したりすると良いでしょう。

また、糖尿病は規則正しい生活習慣によって発症予防につながります。定期的な健康診断を受けながら、バランスの取れた食事や適度な運動、禁煙を心がけましょう。末梢循環障害も、糖尿病や高血圧、肥満などがある場合に発症リスクが高まるため、同様の対策が必要です。

HIVやB型肝炎は、原因となるウイルスに感染することで発症します。どちらも感染者との性行為によって感染することがあるため、不特定多数の人との性行為は避けるようにしましょう。

このほか、環状肉芽腫は紫外線の影響によっても発症する可能性があります。紫外線対策のために、外出時には日焼け止めや日傘、サングラスなどを使用したり、紫外線の強い日中などは外出を控えたりすることが有効です。


関連する病気

糖尿病

虫刺症

HIV感染症

B型肝炎サルコイドーシス

参考文献

北海道大学大学院医学研究院皮膚科学教室あたらしい皮膚科学第三版「2.環状肉芽腫」

公益社団法人日本皮膚科学会皮膚科Q&A「イボの治療はどうするのですか?」

公益社団法人日本皮膚科学会皮膚科Q&A「虫刺されの予防はどうすればよいですか?」

厚生労働省みんなで知ろう!からだのこと「第4回糖尿病ってなあに?」

東京都感染症情報センター「後天性免疫不全症候群(HIV/AIDS)」

厚生労働省「B型肝炎について(一般的なQ&A)」

環境省「紫外線による影響を防ぐためには」

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。