火災で煙を吸ったらどうなる? 「気道熱傷」の症状と受診の目安を医師に聞く

火災で煙を吸ったらどうなる? 「気道熱傷」の症状と受診の目安を医師に聞く

気道熱傷の治療

気道熱傷の治療は、呼吸状態の安定と気道の炎症を抑えることが中心となります。気道熱傷の治療は、状態に合わせて、集中的なケアが必要となるケースも多く見られます。具体的な治療法は以下のとおりです。

薬物療法

薬物療法では、炎症を抑える薬や気管支を広げる薬、痰を出しやすくする薬などが使われます。これらの薬は、気道の腫れを和らげ、呼吸を楽にする効果があります。

気道熱傷の薬物療法では、「ネブライザー吸入」という手法がとられることもあります。この手法は、薬を細かい霧状にして吸入することで、薬が気道に直接届くようにする方法です。薬の効果が早く現れやすいという利点があります。

気道の確保

気道粘膜の腫れは徐々に進行することもありますが、急激に進行して呼吸ができなくなる場合もあります。特に、受傷後数時間から24時間以内は、腫れが急速に進む可能性があるため、注意が必要です。

空気の通り道が塞がり、呼吸ができなくなると死に至る恐れがあるため、気管挿管をおこないます。気管挿管とは、気管チューブを口や鼻から気道に挿入して、人工呼吸器によって酸素や空気を送り、気道を確保することです。

この気管チューブを入れている間は、チューブの違和感が強くあらわれることがあるため、麻酔をかけておくことが一般的です。

気道熱傷を負っている場合は、全身に火傷を追っているケースもまれではありません。大量の輸液を投与したり創部に軟膏を塗ったりなど火傷の治療も並行しておこなわれます。皮膚の損傷が広範囲に及んでいる場合は、感染症のリスクが高まるため、抗菌薬の投与などもおこなわれるなど、全身管理が重要です。

気道熱傷になりやすい人・予防の方法

気道熱傷は突発的な事故や災害を理由とする火災や爆発で負うことが多いため、誰にでも発症リスクがあると言えます。

職務環境などの要因で、気道熱傷の発症リスクが変動する可能性があります。火災現場にかけつける消防士や、焼却炉等の大きな熱源の近くで作業する人などは、気道熱傷に警戒する必要があります。

火災予防を徹底すること、火災の際には煙を吸い込まないように注意することが、気道熱傷の予防につながります。火の取り扱いに注意する、防火設備の点検を定期的におこなうなどの基本的な火災予防が重要です。

万が一火災が発生した場合は、煙を吸い込まないように、できるだけ低い姿勢で避難し、濡れたタオルやハンカチなどで口や鼻を覆いましょう。避難後は、速やかに医療機関を受診し、必要な処置を受けてください。


関連する病気

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参考文献

気道熱傷|一般社団法人 日本救急医学会

熱傷 診療ガイドライン( 改訂第 2 版)|一般社団法人 日本熱傷学会

配信元: Medical DOC

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