両家の両親を交えた会談。一志の悪行が全て露呈し、義父からは勘当を言い渡される。泣いて許しを乞う一志に対し、鈴子の心はもう動かない。彼女は冷めた目で一志を見つめ、用意していた離婚届を突きつける。
両家の前で夫を断罪
翌日、私は両家の両親を呼び出しました。もう私一人では抱えきれない。 実家の父は、時計の件を知って震えていました。
「一志くん……君には失望した。あれは、鈴子の祖父が大切にしていたものだ。それをギャンブルの種にするなんて、人間として最低だぞ」
一方、義両親は一志を厳しく問い詰めました。
「一志! お前、鈴子さんから預かった返済金はどうしたんだ! 私たちには1円も届いていないぞ!」
義父が怒鳴りますが、一志は相変わらずうつむいて黙ったままです。
夫の涙にもう絆されない
「言いなさいよ! 何に使ったの!?」
義母が泣きながら一志の肩を叩きました。すると、一志はポツリと言いました。
「……パチンコ。……負けて、取り返そうと思って、また借りて……」
「お前というやつは……!」
義父は拳を握りしめ、「もう、こいつを息子とは思わない。縁を切っても構わない」とまで言い放ちました。
私は、その様子を冷めた目で見ていました。 以前なら、義両親が怒る姿を見て「かわいそう」と思ったかもしれません。一志が泣きながら「ごめん」と繰り返す姿を見て、絆されたかもしれません。
でも、今の私には何も響きませんでした。私が体調不良で倒れそうになっても、彼が心配するのは自分の遊び金のこと。 私の両親が泣いても、彼が考えるのはどうやって言い逃れするか。
「一志、あなたはいつも『ごめん』って言うわよね。でも、その言葉に中身なんてない。ただその場を収めたいだけの、空っぽの言葉」
「……鈴子、違うんだ。今回は本当に……」
「何が違うの? 3回目だよ? 結婚して半年で3回。これから子どもが生まれて、もっとお金が必要になるのに、あなたは自分の欲望しか見ていない」

