マイホームを建てた地域の町内会に所属した主人公・まり。お祭り準備の日についてはえりこから「日曜日」と教えられていました。しかし日曜日に行ってみるとだれもいなくて…。
お祭りの準備を心待ちにしていた
それは、毎年恒例の町内会のお祭りでのことだった。
「まりちゃん、お祭りの準備、来週の日曜日の朝9時集合だって。みんなで手分けして、屋台の準備するのよ」
えりこさんはそう言って、明るく笑っていた。私はまだ町会に入ったばかりでメーリングリストに入っていないからということで、えりこさんが集まりの日程を教えてくれていた。
私は「ありがとう」と返事をして、その日を待っていた。町内会に行けば交友関係も広げられるし、子どもの年が近いご近所さんももっと見つかるかもしれない。
誰もいない広場
そして迎えた日曜日の朝、張り切って風太と夫と3人で待ち合わせ場所の広場へ向かった。 だけど、広場はシンと静まり返っていて、誰の姿もない。「あれ?」 首を傾げながら、近くを通りかかった近所の女性に声をかけた。
「おはようございます。お祭りの準備って今日じゃなかったでしたっけ?」
すると、ご近所さんは怪訝な顔をして言った。
「え?昨日でしたよ、まりさんいらっしゃらなかったから『なんでかな』って皆で話してたんですよ」
まさか、日程が違ったなんて。無断欠席ということになってしまっていたそうで、丁重に謝罪して赤面しながら帰宅した。

