聞き間違えたのは私?
その日の夕方、スーパーマーケットの前でえりこさんと会った。私は勇気を出して、聞いてみた。
「あの、えりこさん。お祭りの準備のことなんだけど」
すると、えりこさんは目を見開いて、心底驚いたような表情を見せた。
「そうそう!まりちゃん来ないからLINEしようと思ったんだけど、色々バタバタしてて連絡できなくてさ!なんでこなかったの?」
「なんでって…えりこさん、土曜日って言ってたと思うんだけど…」
教えてもらったその場で、パートがない日か確認したので聞き間違いはあり得ないはず。でも、えりこさんは言い間違いとは言わなかった。
「日程を伝えたとき、公園だったから他のママもいたでしょ?昨日確認したけど、みんな日曜って伝えてたって言ってたよ」
「え…そう…?そっか、ごめんなさい…」
えりこさんはため息交じりでこう言った。
「大丈夫大丈夫、間違えちゃうって誰にでもあるよ。祭りの準備ちょっと大変だったから町内会の人から何か言われるかもだけど、そしたら私に相談して!私、まりちゃんの味方だからね!」
町内会にはいわゆるお局さんもいると聞いていたので怖かったけれど、えりこさんはその方とも仲がいいと聞いていたのでありがたいと思ってしまった。だけど、それは今思えば偽りだらけの言葉だったと思う。
「味方」なんて、都合のいい言葉に私はすっかり騙されていたなんて、このときは全く分からなかった。このとき感じた小さな違和感を大事にすればよかったと後悔している――。
あとがき:味方という名の呪い
この話で、えりこの行動への違和感が増しました。えりこは「私はいつでも味方だよ」と言いながら、まりが孤立するように仕向けているようにも見えます。
えりこの得体のしれない怖さを感じるエピソードでした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

