開催の背景
日本では、多くの企業がDEI(多様性・公平性・包摂性)推進や多様性尊重の必要性を認識しているものの、組織の中で測定可能なデータ基盤や評価体制が十分に整備されておらず、現場での実装・改善に向けた実践知が体系化・共有されているとは言い難い状況にあるそう。
特にLGBTQ+への配慮については、現場ごとの工夫や対応に委ねられている部分が多く、その知見を次に引き継ぐ仕組みづくりがこれからの課題だと、虹色ダイバーシティは認識している。
また、国際イベントにおいても、「人権」「DEI」「インクルージョン」が不可欠であることは広く認識されつつある。こうした中、同団体は、民間非営利団体が果たした役割や、その関与がなぜ必要だったのかを言語化し、次の国際イベントへとつなげることが求められていると考えている。
虹色ダイバーシティの大阪・関西万博での取り組み
日本におけるLGBTQ+を取り巻く環境は、制度整備などを通じて一定の改善を見せつつある。

しかし、虹色ダイバーシティが学術研究者と共同で継続的に実施しているLGBTQ+の仕事と暮らしに関するアンケート調査「niji VOICE 2024」によると、職場や日常生活において、当事者が抱える「しんどさ」が依然として解消されていない実態が明らかになっている。
こうした課題認識のもと、同団体は、大阪・関西万博において、万博協会と継続的に対話を重ねながら、要望書の提出や人権ワーキンググループの委員としての参加を通じて検討プロセスに関与してきた。
あわせて、職員・パビリオン関係者を対象としたLGBTQ+に関する研修の実施、現地でのモニタリング、会場内での関連イベントの企画および登壇など、現場に即した人権配慮の実装に向けた取り組みを進めてきた。
これらの取り組みは、制度や方針を整備することにとどまらず、実際の運営の中で人権配慮をどのように機能させるかを共に検証し、改善していくプロセスでもあり、多くの実践的な知見が蓄積されているという。
