要介護認定を受けるために必要な手続き

要介護認定を受けるには、市区町村への申請から認定までの一連の手続きが必要です。申請書の提出、認定調査、主治医意見書の作成、審査会による判定という流れで進められます。手続きの各段階について理解しておくと、スムーズに認定を受けることができます。
要介護認定・要支援認定申請書の提出
要介護認定の申請は、住所地の市区町村の窓口で行います。申請に必要な書類と手続きは以下のとおりです。
要介護認定・要支援認定申請書
介護保険被保険者証
医療保険被保険者証(第2号被保険者のみ)
主治医の診断書(必要に応じて)
要介護認定は、本人または家族が申請できます。手続きが難しい場合には、居宅介護支援事業者や地域包括支援センターによる代行申請も可能です。申請手数料は無料で、申請から認定結果の通知まで原則として30日以内に完了します。
参照:『要介護認定について』(厚生労働省)
認定調査
申請後、市区町村の職員または委託を受けた居宅介護支援事業者の介護支援専門員が認定調査を実施します。
基本調査(74項目)
特記事項の記録
日常生活の状況確認
介護の状況確認
認定調査は自宅や入院先などで実施され、調査時間は約1時間です。調査員は申請者の身体機能や認知機能、日常生活の自立度について客観的に評価し、介護者からの聞き取りも行います。
参照:『要介護認定について』(厚生労働省)
自治体による主治医意見書の取得
市区町村の自治体は、申請者の主治医に対して主治医意見書の作成を依頼します。主治医意見書には以下の内容が記載されます。
疾病の状況
身体機能の状況
認知機能の状況
精神・行動障害の状況
医学的管理の必要性
そのほか(感染症の有無、特別な医療の実施など)
主治医がいない場合は、市区町村が指定する医師による診察と意見書作成が行われます。主治医意見書は医学的な観点から申請者の状態を評価する重要な資料です。
参照:『要介護認定について』(厚生労働省)
コンピュータによる一次判定
認定調査の結果と主治医意見書の一部項目をコンピュータで処理し、要介護認定等基準時間を算出します。
直接生活介助
間接生活介助
問題行動関連行為
機能訓練関連行為
医療関連行為
一次判定では、これら5つの分野における介護に要する時間を推計し、要介護認定等基準時間の合計によって要介護状態区分の目安を決定します。この結果は二次判定の基礎資料として使用されます。
参照:『要介護認定について』(厚生労働省)
介護認定審査会による要介護認定の要否・区分の最終判定
介護認定審査会では、保健・医療・福祉の専門家が一次判定結果を総合的に審査します。
保健師
医師
歯科医師
薬剤師
看護師
理学療法士・作業療法士
社会福祉士
介護福祉士
介護支援専門員
審査会では一次判定結果、認定調査票、主治医意見書を総合的に検討し、介護の手間や状態の安定性を考慮して最終的な要介護状態区分を決定します。
参照:『要介護認定について』(厚生労働省)
要介護認定により受けられる介護保険サービス

要介護認定を受けると訪問サービスや通所サービス、短期入所サービス、施設サービスなどさまざまな介護保険サービスを利用できるようになります。利用者の状態や希望に応じてサービスを組み合わせることで、在宅での生活継続や家族の介護負担軽減が可能です。
介護サービスに関する相談
要介護認定を受けた後は、さまざまな相談窓口で介護サービスに関する相談ができます。代表的な相談窓口は下記のとおりです。
地域包括支援センター
居宅介護支援事業所
市区町村の介護保険担当窓口
社会福祉協議会
これらの相談窓口では、要介護認定を受けたご本人(介護保険サービスを受ける方)や、そのご家族の状態や希望に応じて、適切なサービスの種類や事業者の選び方について助言を受けられます。
参照:『介護保険制度の概要』(厚生労働省)
ケアプランの作成
ケアプラン(居宅サービス計画)とは、介護保険サービスを利用する際に必ず作成が必要になる個人別のサービス利用計画書です。要介護認定を受けた方が、住みなれた地域や自宅で可能な限り自立した日常生活を送れるように、心身の状態や生活環境やご本人の意向を総合的に踏まえて、どのようなサービスを、どれくらいの頻度で、どのように利用するかを具体的に示した設計図です。
ケアプランには、主に以下の内容が盛り込まれます。
要介護認定を受けた方の生活上の課題
生活に関する意向や希望
総合的な援助の方針とサービスの目標
ケアプランに基づきサービスを利用することで、要介護認定を受けた方が、能力を最大限に活かした生活を送ることが可能となります。
参照:『介護保険制度の概要』(厚生労働省)
訪問介護・看護、日常生活支援
訪問介護・看護、日常生活支援は、在宅で生活する要介護者に対して、ヘルパーや看護師などが居宅を訪問して直接サービスを提供することです。
訪問介護(ホームヘルプサービス)
訪問入浴介護
訪問看護
訪問リハビリテーション
居宅療養管理指導
訪問介護では身体介護と生活援助が提供され、利用者が住みなれた自宅で安心して生活できるよう支援します。訪問看護では医療的なケアや健康管理が行われます。
参照:『介護保険制度の概要』(厚生労働省)
通所介護・リハビリ
要介護者が事業所に通所してサービスを受ける形態です。
通所介護(デイサービス)
通所リハビリテーション(デイケア)
認知症対応型通所介護
小規模多機能型居宅介護
通所介護では入浴・食事・機能訓練などのサービスが提供されます。通所介護は、利用者の社会参加や家族の介護負担軽減にも寄与します。通所リハビリテーションでは、医師の指示に基づく機能訓練を実施します。
参照:『介護保険制度の概要』(厚生労働省)
短期間の宿泊サービス
要介護と判定された方が、短期間施設に宿泊するサービスを受けることができます。
短期入所生活介護(ショートステイ)
短期入所療養介護(医療型ショートステイ)
ショートステイは家族の介護負担軽減や緊急時の利用に対応するサービスです。連続して30日まで利用可能で、入浴・食事・機能訓練などの日常生活支援が提供されます。
参照:『介護保険制度の概要』(厚生労働省)
介護医療院やグループホームなどの施設への入所
常時介護が必要な要介護者のために、以下の入所施設サービスがあります。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
介護老人保健施設
介護医療院
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
特定施設入居者生活介護(有料老人ホームなど)
施設サービスでは24時間体制の介護が提供され、医療的ケアや看取りケアにも対応しています。入所には要介護度による制限や待機期間がある場合があります。
参照:『介護保険制度の概要』(厚生労働省)

